入居者さんが退去された際の「敷金」と「原状回復」の考え方
についてお話ししていくよ!
そもそも敷金って?
敷金とは、入居者さんがお部屋を借りる際に担保として支払うお金のことを指します。
敷金が担保してくれるのは、主に以下の二つの状況です。
- 入居者さん負担の原状回復費用が発生した場合
- 入居者さんが何らかの理由によって家賃を支払えなかった場合
その金額は家賃の1ヶ月分や2ヶ月分であることが一般的です。
また、敷金は担保ですので、オーナー様へのお礼として支払う礼金とは異なり、
必要な費用を引いた額を返却する必要のあるお金です。
ただし、家賃が支払われなかった場合や
入居者さん負担の原状回復費が敷金の全額に値するのであれば、
返却しなくてはならない敷金は無くなりますので注意しましょう。
基本的に入居者さん負担になる原状回復費
原状回復はオーナー様と入居者さんが負担する費用です。
しかしながら、ガイドラインがあったとしても
入居者さんからクレームが入ってしまうことも良くあります。
一体どこまでが入居者さん負担になるのか考える際の基準として
入居者さんが管理を怠ったために発生した損害は入居者さん負担であると言えます。
ここからは、不必要なトラブルを避けるためにも
まずは基本的に入居者さん負担になる原状回復費について
お部屋の箇所別に見ていきましょう。
天井や壁
天井や壁の原状回復において、
入居者さんが基本的に負担しなくてはいけない点は以下の通りです。
- 掃除を怠ったために発生したカビやシミ
- エアコンの水漏れを放置したためついた水の跡
- 料理後の掃除を怠ったためについた油汚れ
- 喫煙のために染み付いたヤニの匂いや汚れ
- 故意に行った落書き・傷
床
床の原状回復において、
入居者さんが基本的に負担しなくてはいけない点は以下の通りです。
- 故意に行った落書き・傷
- 食べこぼしや飲みこぼしによって発生したカビやシミ
- 家電周りのサビやカビ
水回り
水回りの原状回復において、
入居者さんが基本的に負担しなくてはいけない点は以下の通りです。
- シンクやお風呂場などに付着した水アカや汚れ、カビ
- IHやガス台についた油汚れやコゲ
窓ガラスや網戸
窓ガラスや網戸の原状回復において、
入居者さんが基本的に負担しなくてはいけない点は以下の通りです。
- 破いてしまった網戸
- 割ってしまった窓ガラス
鍵
鍵の原状回復において、
入居者さんが基本的に負担しなくてはいけない点は以下の通りです。
- 入居者さんが鍵を紛失してしまった場合
基本的にオーナー様負担になる原状回復費
ここまで、基本的に入居者さん負担になる原状回復について見てきました。
入居者さんが管理を怠ったために発生した損害は入居者さん負担だと書きましたが、
対してオーナー様は基本的にそれ以外の経年劣化による部分を負担します。
ここからは、基本的にオーナー様負担になる原状回復費について
こちらも箇所別に見ていきましょう。
天井や壁
天井や壁の原状回復において、
オーナー様が基本的に負担しなくてはいけない点は以下の通りです。
- 家電を置いていた為にできた壁の家電焼け
- 日照による日焼け
- ポスターなどを貼った為にできた画鋲の跡
床
床の原状回復において、
オーナー様が基本的に負担しなくてはいけない点は以下の通りです。
- 経年劣化による床の色落ち
- 家具や家電を設置したことで生じた床の窪み
- 家具や家電を設置したことで生じた床の変色
水回り
水回りの原状回復において、
オーナー様が基本的に負担しなくてはいけない点は以下の通りです。
- 設備の経年劣化による交換
窓ガラスや網戸
窓ガラスや網戸の原状回復において、
オーナー様が基本的に負担しなくてはいけない点は以下の通りです。
- 天災によって割れてしまった窓ガラス
- 建物の構造によってヒビが入ってしまった窓ガラス
- 入居者さんによる過失のない網戸の張り替え
鍵
鍵の原状回復において、
オーナー様が基本的に負担しなくてはいけない点は以下の通りです。
- 入居者さんが過失により鍵を紛失していない場合の鍵の交換
原状回復時のトラブルを回避する方法
ここまで、基本的に入居者さんが負担するべきとされている部分と
オーナー様が負担するべきとされている修繕について見てきましたね。
しかしながら、このような基準があってもトラブルが起こってしまうことが多々あります。
少しでもトラブルを避ける為に、
原状回復時のトラブルを回避する方法についてお話ししていきましょう。
双方の負担分を契約書に明記しておく
原状回復時のトラブルを回避する方法の一つ目として、
入居者さんとオーナー様の負担分を契約書に明記しておくことが挙げられます。
契約時の重要事項説明の際に、
入居者さん負担になる部分とオーナー様負担になる部分の説明を行うことが一般的です。
また、契約書に書かれている負担分を基準に原状回復を行う方も多くいらっしゃいます。
事前にその旨を伝えておき、契約を結んだ事実があれば
入居者さんからクレームが入ってしまっても納得していただける確率が高いことも
この方法を取ることの利点でもあります。
業者さんをしっかり選ぶ
原状回復時のトラブルを回避する方法の二つ目として、
原状回復を行ってくださる業者さんをしっかり選ぶことが挙げられます。
原状回復の際の費用は業者さんによって異なりますので、
あまりに多くの額を請求してくる業者さんを選んでしまうと
入居者さんのクレームになりやすいことがございます。
その為、価格帯は相場に即しているのか、対応や連絡は丁寧かつ迅速か、
経験が豊富で技術があるのか、などの視点で業者さんを探すようにしましょう。
オーナー様負担の修繕費用にも関わることですので、
自分で納得できる業者さんを選びましょう。
入居時・退去時のお部屋のチェックリストを作成してもらう
原状回復時のトラブルを回避する方法の三つ目として、
入居者さんが入居した際や退去される際に
お部屋のチェックリストを作成していただくことが挙げられます。
お部屋の破損箇所などが、その入居者さんによるものなのか
それとも以前から存在していたのか、言葉だけでは確証が得られませんね。
その点、チェックリストを作成し、
入居者さんが入居された時点でついていた傷や汚れを両者で確認しておくことで
退去時に入居者さん負担になるものとならないものを明確にしておけます。
また、入居者さんが故意に付けてしまった傷を以前からあったものと
偽られてしまうことがあるかもしれませんので、
退去されて原状回復が済んだ後に、
オーナー様側でもチェックリストを作成することがおすすめできます。
まとめ
故意につけた部分や管理を怠った部分が該当するんだね!
経年劣化による損失はオーナー様負担になるから
業者さん選びには注意が必要だよ!
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