「インボイス発行事業者さんにも対応」した不動産投資の確定申告方法について
お話ししていくね!
確定申告を行わなくてはいけない条件
不動産投資を行っている方の中でも、
以下のどちらかの条件に当てはまる方は確定申告を行う義務があります。
- 不動産所得が20万円以上ある方
- 不動産を売却して収益を得た方
それぞれの条件について詳しく見ていきましょう。
不動産所得が20万円以上ある方
不動産所得の求め方は以下の通りです。
不動産所得=不動産の収益ー必要経費
不動産所得が赤字になった場合、他の所得と損益通算することが出来ます。
損益通算とは、一年の中の黒字と赤字を相殺する事を指し、
総合的な課税額が抑えられる事でも知られています。
不動産投資に節税効果があると言われているのも、この損益通算のおかげです。
不動産を売却して収益を得た方
不動産の売却によって収益を得た場合、不動産所得ではなく譲渡所得になります。
譲渡所得は以下の様に求めます。
譲渡所得=収益ー(取得費+譲渡費用)
売却益の所得税率は不動産の保有年数によって異なるため注意が必要です。
保有年数5年以内:税率30%
保有年数5年以上:税率15%
また、不動産所得と異なり
損益通算が可能なのは売却益同士のみですので気を付けましょう。
確定申告の提出期限と期限を過ぎてしまった場合
確定申告では所得税を求めるために、1月1日から12月31日分の支出を計算します。
確定申告の提出期限は、翌年の2月16日から3月15日の間です。
そのため、2023年の1月1日から12月31日分の支出を計算した確定申告は
2024年の2月16日から3月15日の間に提出する事になります。
提出期限を過ぎてしまうと、無申告加算税がかかってしまいます。
無申告加算税は、原則として、納付すべき税額に対して、50万円までの部分は15パーセント、50万円を超える部分は20パーセントの割合を乗じて計算した金額となります。
期間後申告であっても、以下の条件のどれかに当てはまれば無申告課税は加算されません。
- 期限から1か月以内に自主的に申告を行った場合
- 税額全てを法定納期限までに納付している場合
- 5年前までの間に無申告加算税を課されておらず、これらの救済処置を受けていない場合
そのため、期間を過ぎてしまっても一ヶ月以内に自主的な申告を行いましょう。
確定申告の種類
確定申告には、青色申告と白色申告の2つの種類があります。
白色申告の方が敷居は低いですが、その分節税効果も低いとされています。
継続的に不動産投資を行う場合おすすめなのは青色申告ですが、
もちろん白色申告で行っても大丈夫です。
ここからはそれぞれの特徴をお話ししますので、どちらがご自身に合うか探してみてください。
青色申告
青色申告の特徴は以下の通りです。
- 事前申告が必要
- 複式簿記なので慣れるまで記帳が大変
- 青色事業専従者給与を経費として換算可
- 55万円までの青色申告特別控除あり
- 電子申告の場合は65万円控除あり
複式簿記を用いるため、記帳が大変ですが
国税庁のホームページ「確定申告書等作成コーナー」を用いると便利です。
また、控除額が多いことから白色申告よりも節税メリットがあります。
白色申告
白色申告の特徴は以下の通りです。
- 事前申請不要
- 単式簿記なので初心者でも計算が簡単
- 事業専従者給与の控除可
青色申告と比べると控除額が少ないため
そもそも不動産投資の収益が少ない方はこちらで良いかもしれません。
ただしこれから不動産所得を増やしたい、もしくは増える場合は
申請を行って青色申告を行う方が節税メリットを享受できるでしょう。
確定申告に必要な書類
確定申告書類を作成する際には、いくつかの書類を必要とします。
書類が準備できたら、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」や
確定申告申告書作成アプリなどを用いれば簡単に確定申告書が作成できます。
ここからはそれぞれの種類別に必要書類を挙げていきましょう。
収入を計算するのに必要な書類
収入を計算する際には、これらの書類が必要です。
- 賃貸借契約書
- (家賃の振込先がオーナー様の場合)家賃振込口座の通帳
- (家賃の振込先が管理会社の場合)家賃が送金された際の明細書
家賃の振込先が「オーナー様」か「管理会社」かで
収入の計算に必要な書類が異なりますので気を付けましょう。
必要経費を計算するのに必要な書類
必要経費を計算する際には、これらの書類が必要です。
- 各種税金の納付書
- ローン返済額から利息と手数料が分かる書類
- その他、経費金額が分かる請求書・レシート・領収証、明細表
必要経費を算出する場合には基本的にレシートや請求書、領収証を使用します。
納税金額などが分からない場合も、納付した際のレシートで代用できます。
レシートや領収証などもない場合には、クレジットカードや通帳の明細を利用しましょう。
経費の計算で使用したレシート類は、
青色申告の場合7年、白色申告の場合は5年保管する義務があります。
ちなみに、必要経費として考えられる項目は以下の通りですので参考にしてください。
- 減価償却費
- 管理費用
- ローンの利息と手数料
- 登録免許税
- 固定資産税
- 不動産取得税
- 都市計画税
- 自動車税・重量税(不動産投資に用いた部分だけを計上)
- 印紙税
- 修繕費
- 地震保険
- 火災保険
- 孤独死保健
- 税理士・司法書士費用
以下の項目は、不動産投資に関連する事柄で用いた分だけを経費化できます。
- ガソリン代(不動産投資に用いた分だけを計上)
- 高速道路の料金
- 電車やバスの料金
- パーキングの料金
- 車両代
- 保険料
- 自動車税
- 車検料
- 交際費(管理会社や不動産屋へのお土産やお茶代など)
- 不動産投資に用いるモバイル端末(スマホ・パソコンなど)を購入した費用
- アプリ・ソフト代
- インターネット代
- モバイルデータ代
- 不動産投資の勉強のために用いた書籍など
還付金を計算するための書類
還付金を計算する際には、源泉徴収票が必要です。
副業で不動産投資を行っている場合、会社が源泉徴収税額を算出しています。
しかし、給与所得と不動産所得と損益通算を行って最終的な納税額を計算する為、
会社が算出した源泉徴収税額のままでは税金が過払いになる方がいます。
そんな税金の過払いを防ぐ為に、確定申告書に源泉徴収額を記入し
過払いがある場合は還付金が振り込まれます。
所得控除を申請するための書類
所得控除を受けるためには、以下の書類が必要です。
- 各種保険控除に適した支払い明細
- 医療費が分かる領収書・レシート
- 寄付金・ふるさと納税金が分かる領収書・レシート
これらの書類は確定申告書に添付して提出する必要がありますので、
忘れない様にしましょう。
インボイス発行事業者さんが注意する事
インボイス発行事業者の不動産投資家さんは
確定申告の際には所得税を算出するのに加えて、消費税の申告が必要になります。
その際に注意していただきたいのは、
消費税の取引が確認できる書類を2023年9月30日と10月1日以降に分ける事、
また、税率10%と軽減税率の8%で分ける必要がある点です。
こちらも国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を用いると
簡単に作成できますので利用して見てください。
消費税額の申告・納税は2024年の4月1日までですので、
期限を過ぎない様に注意しましょう。
まとめ
- 不動産所得が20万円以上ある方
- 不動産を売却して収益を得た方
不動産所得がそれほど多くない場合は白色申告でも大丈夫だよ!
早めに準備しておくのが良いね!レシートの保管期間もきちんと守ろう!
- 取引書類を2023年9月30日と10月1日以降に分ける
- 税率10%と軽減税率の8%で分ける
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