競売物件とは一体なにか、メリットとデメリットについても触れていくね!
そもそも競売物件とは?
この記事を見ている方の中には、
競売物件という言葉を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか?
競売物件の「競売」は一般的に「きょうばい」と呼ばれることもございますが、
法的には「けいばい」と呼ばれます。
それではここからは、競売物件とは一体どのような物件を指すのか
という点に絞ってお話ししていきましょう。
競売物件はローンが支払えなくなった物件を指す
競売物件とは、その不動産の持ち主が住宅ローンや
不動産投資用のローン、アパートローンなど
不動産を購入した際のローンが支払えなくなったために
裁判所を通じて強制的に売却された土地・建物のことを指します。
このような差し押さえがなぜ起こるのかというと、
ローンを組んで購入した土地や建物には、
ローンを返済できなくなった際に土地や建物を担保として差し出すことが
抵当権によって決まっているためです。
所有権の移転は裁判所が行う
一般的に不動産を売りに出す際には、売主によって不動産を引き渡されますが
競売物件の場合には不動産が全所有者から取り上げられているため、売主が存在しません。
そのため、競売物件を購入した際の所有権の移転は裁判所が行います。
競売物件のメリット
ここまで、競売物件とは一体どのような物件を指すのかについてお話ししてきましたね。
ローンが支払えなかったことにより、担保として差し押さえられた土地や建物のことを
指すということがご理解頂けたと思います。
ここからは、競売物件を購入することのメリットについてお話ししていきましょう。
とにかく安く手に入る
競売物件を購入することのメリットの一つ目は、とにかく安く手に入るということです。
一般的には市場の相場よりおおよそ2割から4割程度安く購入することができますが、
時たまに戸建てで15万円など、驚くほどの価格で売りに出されていることもございます。
しかしながら最近では、都心部のワンルームマンションや投資用の物件は
値上がりしてきているため、一般的な方法で購入するよりも高くつく可能性があります。
手続きの負担がそれほどない
競売物件を購入することのメリットの二つ目は、
手続きの負担がそれほどないということです。
手続きの負担がそれほどないということは具体的にどのようなことを指すのかというと
ローンの審査や売買契約、所有権移転も無いということです。
そのため、自宅として購入したい方でも、不動産投資家さんでも
競売物件を購入するノウハウがあれば誰でも購入可能です。
色々な種類の不動産を探すことができる
競売物件を購入することのメリットの三つ目は、
色々な種類の不動産を探すことができることです。
自宅用に不動産を探している方であっても、
不動産投資用に不動産を探している方であっても不動産に対するニーズは非常に様々です。
その点、競売物件は不動産業者さん用の情報システムやレインズに載っていないような
不動産を探すことができます。
商品価値が低いとされる不動産は競売物件として扱われることが多いため、
以下の物件をお探しの方には競売物件はもってこいだと思います。
- 山林や農地
- 工場や作業所
- 市街化調整区域内の宅地
- 極端に狭い建物
競売物件のデメリット
ここまで、競売物件のメリットについてお話ししてきましたね。
価格が手頃で手間もかからないことがメリットだとご理解頂けたと思います。
しかしながら、競売物件にも悪い点がございます。
そこでここからは、競売物件のデメリットについてお話ししていきましょう。
情報補完が大変
競売物件を購入することのデメリットの一つ目は、情報補完が大変だということです。
裁判所から公開される情報には
物件の痛み具合や隣地境界の状態、関係者の証言が載っています。
逆に言えば、前所有者はどんな状況下にあるのか、
また、なにか他に危ない点はないかという注意点などは載っていません。
個人情報保護のために書類の中の個人名や固有名詞は伏せてありますので、
より深く情報を得るためには裁判所まで赴き、元の書類から個人名を探して
登記簿謄本を取らなくてはいけません。
また、より詳しく調査するためには、現地まで住んでいる方はいないか伺ったり
近所の方々に様子を伺ったり、物件の近隣の不動産屋さんに問い合わせをする
ことなどが必要です。
このように、手続きの負担が少ない分、
調査に時間を取られてしまうのがデメリットの一つとして挙げられるでしょう。
短い期間内で決断しなくてはならない
競売物件を購入することのデメリットの二つ目は、
短い期間で決断をしなくてはならないということです。
競売物件の場合、入札期間は1週間から1ケ月ほどしかなく、
その短い期間で限られた判断材料によって購入を決断しなくてはなりません。
情報補完が大変だと記述しましたが、
この限られた時間の中であれだけの労力を割いて調査をしなくてはならないため
購入の判断さえも非常に難しいことがデメリットとして挙げられます。
入札しても購入することができないかもしれない
競売物件を購入することのデメリットの三つ目は、
入札しても購入することができないかもしれないということです。
競売というものは言ってしまえば、オークションです。
そのため、他の方が自身の言い値よりも高い金額で落札してしまうこともございます。
また、物件の前所有者は任意売却をしたいが故に
ギリギリまで粘っていることもございます。
競売は開札日の前日までに物件の所有者さんが任意売却の買主と契約に到れば
取り下げることが可能ですので、
それによって開札日までに競売が流れてしまうことも多々あります。
それらの要因によって、入札しても購入できるとは限らないのです。
自己責任で物件の引き渡しを行わなくてはならない
競売物件を購入することのデメリットの四つ目は、
自己責任で物件の引き渡しを行わなくてはならないという点です。
所有権移転登記という手続きが完了し、物件のオーナー様になったとしても
大きな落とし穴が潜んでいる可能性がございます。
具体的には、現在その物件に住んでいる占有者の立ち退き交渉や
残置物の処分は購入した人が受け持たなくてはなりません。
競売物件の占有者は競売妨害という罪に問われますが、
同時に居住権もあるため、訴訟を起こすことが必要になります。
そのため、競売物件を購入する際には面倒な占有者がいるのか否かという点に
細心の注意を払う必要がございます。
瑕疵責任も負わなくてはいけない
競売物件を購入することのデメリットの五つ目は、
瑕疵責任も負わなくてはならないという点です。
競売物件の場合、雨漏りやシロアリ、
その他の裁判所の資料に記載されていない欠損なども
全て購入者さんが自己負担で修繕しなくてはいけません。
これがなぜまかり通るのかというと、売主がいないという点に由来します。
民法改正によって瑕疵担保責任という言葉は契約不適合責任に変わっています。
この法律は売主が買主に対して不備があった場合に負う責任のことを指します。
しかしながら、競売物件には売主が存在しませんから、責任を問うことはできません。
まとめ
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