事故物件になってしまったらどうする?
そんなに現実味もない問題と言うか…。
もしその状態に居合わせたとしても、僕はどうしていいか分からないよ。
自身の物件が「事故物件」になってしまった際の対処法と、それでも入居者さんを集う方法
についてお話していくね。
「事故物件」になってしまう条件とは?
事故物件になってしまう条件とは、
入居者さんを対象に不動産の取引をする際に
通常ではない理由で死亡し、心理的瑕疵が発生してしまう事です。
通常ではない場合の死因には、以下のものが該当いたします。
- 自殺
- 殺人
- 火災や地震
- (時間が経って発見された)孤独死
このように、事故物件に該当するのは通常ではない死ですので、
ご家族に看取られて死亡した場合や、
死亡してから2~3日ほどしか経っていない場合は事故物件には該当しません。
「事故物件」が生まれてしまう背景と原因
ここまで、「事故物件」になってしまう条件について見てきましたね。
事故物件なのか否かを左右するのは、その死因にありますが、
そもそも通常ではない死の背景には一体どのようなものがあるのでしょうか。
実の所そこには、
「事故物件なんて、自分には関係のないこと」とは言い切れない現状がございます。
ここからは、事故物件が生まれてしまう背景と原因について解説していきます。
日本における「孤独死」の現状
ある調査によりますと、日本では年間3万人が孤独死を迎えています。
そのうち6割が賃貸暮らしをしているとすると、
年間約2万人が賃貸物件でお亡くなりになっていることになります。
また、最近はご高齢の方が一人で賃貸暮らしをされるケースも増えている為、
アパートやマンションで病死してしまい、発見が遅れてしまう方も多いですし、
また、現在増えているのは、新型コロナウィルスの影響で
職を失ってしまったり、精神的に不安定になってしまって自殺されるケースなどです。
これらのケースは、不動産を保有しているオーナー様方誰しもに起こりうる問題です。
その為、実際に「事故物件」になってしまった際の対処法をしっかりと学び、
そのような時でも真摯に対応できるようにしましょう。
発見した際にすべきこと
ここまで、事故物件が生まれてしまう背景を見てきましたね。
全てのオーナー様が一生に一度は対峙するかもしれない問題ではありますが、
発見した際に冷静に対処できるオーナー様はそう多くはないと思います。
現場の状況を考えてみたら、取り乱してしまう事も容易に想像できるでしょう。
しかしながら、それでも対処しなくてはいけないのがオーナー様の宿命です。
その為、自身の賃貸の中で
通常ではない死を発見した際にすべきことについてまとめていきましょう。
まずは警察に連絡をする
発見して真っ先にすべきことは、
警察に連絡をし、ご遺体を搬送して頂くことです。
警察は、その死に事件性があるか否かを探る為に現場検証を行いますし
近隣の方々へ聞き込み調査を行う場合もございます。
近隣の方々へ聞き込み調査が入ると、間違った噂がたってしまう事もございますので、
同時にオーナー様が近隣挨拶をして回ることが良いでしょう。
清掃業者を手配する
警察の一連の捜査が終わったら、次にすべきことは清掃業者さんの手配です。
事故物件の場合は、基本的に異臭除去などの特別な清掃を必要としますので
それらを専門とした特殊清掃業者さんを手配する必要があります。
特殊清掃業者さんは同時に遺品の整理も行ってくださいますので
オーナー様の精神的なショックも和らぐかと思います。
腐敗臭などの臭いの除去には3日~1週間程度かかりますが、
それでも臭いが取れない場合は
壁や床をはがして根太の部分まで取り換える必要があり、
高額な費用が掛かってしまうので早めの発見ができるようにしましょう。
神主さんを手配する
お部屋の原状回復の作業が終わりましたら、
次に神主さんを手配し、お祓いをしてもらいましょう。
実際にお祓いに効果があるのか否か、という現実的な問題は抜きにして、
神主さんにお祓いを行ってもらうことで
近隣の方々や次に入居される方の精神的な不安は少し取り除くことが出来ますので
不必要とは思わず、必ずお祓いを行ってもらうようにしましょう。
次の入居者さんへの告知方法と期間
さて、ここまでは
通常ではない死を発見した際の対処法をまとめてきましたね。
しかしながら、事故物件が生まれてしまった際の問題はこれ以外にもございます。
それは、如何にして次の入居者さんに伝えれば良いのか、
また、どのくらいの期間告知を続ければ良いのかという点です。
その為、ここからは次の入居者さんへの告知方法と期間についてお話してきます。
新規募集時の告知方法
例えば、相場に比べて半額程の賃料になっている物件があれば、
そのチラシの備考欄を見てみて下さい。
きっと「心理的瑕疵あり」や「特殊事情あり」という
文言が書かれているのではないでしょうか。
このように事故物件になってしまった際には、
新規の募集時に「心理的瑕疵あり」「特殊事情あり」という文言を
広告の備考欄に書く必要がございます。
必ず記述しなくてはならない文言ですので、忘れないようにしましょう。
契約前の告知方法
契約を結ぶまでに至っている場合は、広告の備考欄にて
入居希望者さんも既にその物件が事故物件であることを認知していることが多いです。
その為、事故物件の告知が必要でないと思ってしまうかもしれませんが、
もちろん、広告の備考欄だけでなく、賃貸借契約を結ぶ前の
重要事項説明の際にも心理的瑕疵ありと告知する必要がございます。
告知する期間はどれくらい?
また、気になるのは告知を続ける期間ですが、
これについては明確な法令やルールはございません。
一般的な告知期間は、
入居者さんが2~3回入れ替わった頃や5年~6年などと言われたりしています。
しかしながら、例えば、大きな事件として報道され、
地域の方々の記憶に残っている期間は事故物件の告知を続けた方が良いと言えます。
そのような場合は、時間が経って事件の印象が薄れ、
そのうち地域の方々がその事件を忘れた頃が合理的な告知期間の判断だと言えます。
事故物件に入居者さんを集うにはどうしたらいい?
ここまでは、事故物件に入居者さんを集う際に必要な
事故物件の告知方法と期間について見てきましたね。
しかしながら、
「そうは言っても、どうやって入居者さんを集えばいいのだろう…」という
問題が浮上したのではないでしょうか。
ここからは、そんな問題を解決する為に
事故物件に入居者さんを集う方法についてお話していきます。
家賃を下げる
一般的に事故物件に入居者さんを集う方法として
真っ先に考えられるのは、やはり家賃を下げる事です。
「事故物件」=「賃料が安くなっている」という図式は
不動産投資を超えて一般的に流布しているものですので、
わざわざ賃料が安くなった事故物件を狙っている入居者さんもいらっしゃいますし、
事故物件は綺麗にリフォームされていることが多いので、
意外とすんなり入居者さんは決まってしまうものです。
逆に言えば、家賃を下げさえすればそのような方々の需要として成り立ちますので
余り頭を悩ませ過ぎなくても大丈夫です。
外国の方に貸し出す
また、どうしても賃料を下げたくない場合のオルタナティブとして提案できるのは
外国の方に貸し出すことです。
文化面の違いから、事故物件をあまり気にしない方が多く、
また上記と同様の理由である「綺麗にリフォームされている」という点も含め
こちらも需要が高めです。
その為、積極的に外国の方を受け入れる事も
事故物件に入居者さんを集う上で重要な事だと言えます。
「事故物件」になってしまうのを防ぐ方法はある?
人間にとって死は逃れられないものですが、
賃貸の中で発見が後れてしまう「孤独死」を避ける方法はございます。
ここからは、「事故物件」を防ぐ方法について見ていきましょう。
入居者さん同士のコミュニケーションを図る
まず一つ目に挙げられるのは、
入居者さん同士で積極的にコミュニケーションを図って頂くことです。
入居者さんにはお互い積極的に挨拶を交わして頂くようにし、
日ごろから顔を合わせて頂ければ、
孤独死されてしまった場合にも発見が早くなります。
オーナー様や管理会社さんよりも入居者さんに一番近い存在は、
近隣の入居者さんですので、味方につけて事故物件を防ぎましょう。
見守りのサービスを使う
ご高齢の方を受け入れる際におすすめしたいのは、
見守りのサービスを利用することを条件に賃貸借契約を結ぶことです。
自治体では、民生委員などの見回りのサービスがございますし、
電話で無料の安否確認を行っている場合もございます。
民間の場合でも見守りのサービスを行っている企業がございますので、
ご高齢者を受け入れている方で気になるオーナー様がいましたら、
自治体のホームページや民間の見守りサービスを調べてみるのも良いかと思います。
まとめ
事故物件の発生には、今の日本の状況も反映されているんだね
だからこそ、自分には関係ないとは言えない事だね。
もしもの時には迅速に真摯に対応できるよう心掛けるよ!
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