- 駅から遠いアパート・マンションは賃貸経営に向いていない
不動産ビジネスの世界では、このような言葉をよく聞きます。しかし、駅から遠いアパート・マンションは必ず空室があり、駅から近いマンションは常に満室を維持できているのでしょうか?
きっと、そんなはずはないでしょう。マンションに限らず、駅から徒歩40分の物件でも常に満室を維持できているところさえあります。
では、なぜ駅から遠いアパート・マンションでも満室状態が続いているのでしょうか。
それは、”駅から遠いという悪条件を大きく上回る魅力的な要素をたくさん持っている”からです。
今回は、駅から遠い賃貸経営を成功させるための4つのポイントをご紹介します。土地の悪条件に負けず、アパート・マンション経営を成功させたいオーナーは必見です。
目次
”魅力的な賃貸物件”の3大要素
空室を埋めるためにはまず、「この部屋に住みたい」と思われる魅力的な賃貸物件であることが大前提です。
そして、”魅力的な賃貸物件”には必ず欠かせない3大要素があります。それが以下の3つです。
- 賃料
- 設備
- 立地
「入居者を増やすためにはこれら3大要素をすべて揃えなければならない」、このようなイメージをお持ちの方も多いでしょう。
しかし実は、3大要素のうち2つの要素が魅力的であれば、そこまで空室率に影響を与えません。
改善することが不可能である「③立地」が悪いことが原因でなかなか入居者が決まらなかった物件も、他の要素を改善するだけで空室率の上昇を抑えることが可能だと考えることができます。
この前提を理解した上で、これから一つひとつの要素について詳しく見ていきましょう。
賃料
賃料とはその名の通り、入居者が毎月支払わなければならない家賃のことです。この賃料の中には管理費や共益費も含まれています。
ただ、不動産情報サイトでは賃料と管理費・共益費が別で表示されていることが多くあります。これには、
- 検索結果にヒットされやすくするため
- 家賃を安く見せるため
- 敷金・礼金を支払う入居者の負担を抑えるため
などの理由があります。
賃貸物件の場合、管理費や共益費は賃料の5%~10%が最も良いとされています。
そのため、家賃と管理費・共益費を設定する際には、バランスをしっかり考えながら最適な価格を設定することが大切です。
設備
ファミリー層や女性の入居希望者は、特に「設備」を重要視する傾向にあります。
- 無料インターネット
- 追い炊き機能
- オートロックマンション etc.
上記の設備は、「この設備があれば賃料が高くても入居する」と言われた人気設備ランキングの上位項目です。ファミリーや女性のみならず、万人受けする設備となっています。
賃料ももちろん大切ですが、設備は賃料より重視されるケースが多いため、空室対策に悩んでいる方はまず、管理物件の設備を見直してみるところから始めることをおすすめします。

立地
賃料の設定や、足りない設備の導入はオーナーが行う事が可能ですが、立地だけはどうしても変更することができません。
しかし、前述したように「賃貸物件の3大要素」はすべて揃うことが必須ではなく、2要素が魅力的だと思われれば、入居者は必ず見つかります。
そのため、管理物件の立地が悪いと感じている場合は、「賃料」と「設備」をメインに見直しを行い、少しでも物件の魅力を引き出す努力が必要となります。
駅から徒歩15分の賃貸物件は遠い?妥協ライン?
20~30代の男女を対象にしたとあるアンケート調査によると、約半数の方が「駅から徒歩15分以上かかる物件は立地が悪い」と考えているようです。
しかし一方で、主要駅から徒歩15分程度の立地でも、空室がほとんどないような物件がいくつもあります。
つまり、主要駅からある程度離れている立地の悪い物件でも、アピール方法次第で十分に魅力的な物件となり得るのです。
では、どうして入居者側は「徒歩15分の物件」でも入居したのでしょうか。選ばれた要因例として、以下のような内容があります。
- 「ペット可物件」としてアピールするため、ペットと住むことを想定して全面的なリフォームを行った
- 駐車場や駐輪場を格安にし、そもそも駅を利用しない人をターゲットにした
このように、一般的に立地が悪いと言われている物件でも、物件のテーマを考えたり入居者のターゲットを再度設定することで、続々と入居を希望する方が増える可能性もあります。
立地条件の悪い賃貸物件の客付けを成功させる4つのポイント
魅力的だと感じられる物件の考え方についてご紹介してきましたが、そもそも設備や条件がまだまだ整っていないという方もいるかもしれません。
ここからは、立地条件の悪い賃貸物件における「客付けを成功させるためのポイント」をご紹介します。
管理物件のどの部分に問題があるか把握できていないという方も、ぜひ参考にしてください。
駐車場・駐輪場の設置
前述したように、「駅から遠い」と感じられる距離はだいたい徒歩15分程度ですが、実際「徒歩15分」はどれほどの距離があるのでしょうか。
徒歩1分は、約80mの距離だと言われています。つまり、徒歩15分は約1kmほどの距離があるということとなります。
社会人の方であれば、毎日駅から約1kmほど歩くことはやはり難しく、車や自転車は必須となるでしょう。そのため、駐車場や駐輪場の設置がまず必要になります。
また最近では、車に乗る若者も増えたことから、安い価格で契約できる駐車場付き物件の需要は今後さらに高まると考えられます。
競合物件との差別化を図る手段のひとつとしても駐車場や駐輪場は有効的となるため、駅から徒歩15分の物件だからこそ、ぜひ駐車場・駐輪場の設置を検討してみてはいかがでしょうか。
設備の充実もあわせたリフォーム・リノベーション
駅から遠いという環境に合わせて、リフォームやリノベーションを行うことも効果的です。
マンションA | マンションB | |
間取り | 1K | 1K |
立地 | 駅から徒歩3分 | 駅から徒歩15分 |
築年数 | 築40年 | 築40年 |
設備 | リフォーム リノベーション無 3点ユニットバス | リノベーション済 システムキッチン バストイレ別 洗面所独立 |
例えば上記の図なら、マンションAとマンションBでは、一見どちらが魅力的に映るでしょうか。
マンションAは駅から徒歩3分であることが非常に魅力的ですが、リフォームやリノベーションを行っていないため、設備は建築当時のままです。
一方でマンションBはリノベーションが済んでいるため、新築物件と変わらない建物の綺麗さがあります。
このように、リフォームやリノベーションで駅から近い物件との差別化を図ることが可能です。
最適な家賃設定
入居者側にとって、賃料が安くて綺麗な物件はもちろん魅力的です。しかし、賃料を下げることだけが有効な空室対策だとは言えません。
マンションA | マンションB | |
間取り | 1K | 1K |
賃料 | 3万円 | 5万円 |
設備 | ユニットバス・無料インターネット無し | バストイレ別・無料インターネット有り |
例えば上記のような物件だと、賃料は圧倒的にマンションAの方が安いものの、間取りや設備は魅力的だとは言えません。
一方で、マンションBは賃料が高いものの、間取りや設備を考えるとお得にすら感じます。賃料の安さを最重視している人を除けば、多くの入居者から好まれる物件はマンションBの方でしょう。
大切なのは、賃料ではなくお得感です。
もちろん、安さを最重視して物件を探す方もいますが、新しい家が見つかるまでの「繋ぎ」として住む方も多いため、長く住んでもらう可能性は低いでしょう。
また、一般的に駅から近い物件は価値が高いため、賃料も高く設定されている可能性もあり、駅から遠い物件は賃料が低い傾向にあります。
そうなれば、入居者の獲得に必須である3大要素のうち「賃料」「設備」の2要素はクリアしているということとなります。
ポータルサイトにこだわらない営業方法
インターネットが普及している現在、ポータルサイトの露出は必須と言えます。
しかし、ポータルサイトは膨大な情報数があるため、競合物件が多ければ多いほど、検索結果からヒットされにくくなっています。
そのため、物件を宣伝する場所はポータルサイトだけにこだわらないことが大切です。
おすすめの営業方法は、地元の不動産会社に依頼することです。
地元の不動産会社に訪れて物件を探す方は、地元の良さを知っており、駅からの近さにこだわらないという方が集まってきます。
そのため、駅から遠い物件であっても物件の魅力を十分に伝えられる可能性があります。
ポータルサイトの方が多くの人に見られやすいと思われがちですが、実際の内覧へ繋げるためには、ポータルサイトの掲載と地元の不動産会社への依頼が最も効果的でしょう。
入居率に大きく関わる「管理会社」の選び方
物件情報を知ってもらうため、また内覧に繋げるためにはポータルサイトや不動産会社が有効ですが、入居率に大きな影響を与えるのは管理会社です。管理会社を選ぶ際は、以下のポイントに注目しておきましょう。
- 客付けに強い
- 地域情報を知り尽くしている
- 24時間対応
気になる管理会社が複数あれば全て候補とし、管理会社と相談を行いながらじっくり比較検討することが大切です。
管理会社選びを間違えてしまうと、問い合わせや申し込み時の対応が遅い・物件が汚いといった問題が発生する場合もあります。
優良な管理会社は不動産物件に関する知識が豊富なため、自分では気付かなかった物件のアピールポイントを見つけ、物件の魅力をより高めてくれるでしょう。
駅から遠い物件でも常に満室状態を維持するためには、管理会社選びまでしっかり行いましょう。



まとめ
駅から遠い物件は不便だと思われがちですが、設備や賃料に工夫を施すだけで内覧や入居に繋がる確率は格段に上がります。
立地条件が悪い物件だと物件の売却を考えてしまう前に、駅から遠い物件だからこそアピールできるポイントを見つけましょう。
物件の間取りや築年数、さらに周辺環境により工夫できる部分はそれぞれ異なります。
まずは所有物件の状況をしっかり確認しながら、ここまでご紹介した「駅から遠い物件の経営方法」の知識を参考に、物件の魅力を高めてください。

- ・ちゃんと管理してくれているのかよくわからない
- ・毎月の管理手数料が腑に落ちない
- ・担当者がイマイチ冴えない
- ・空室が長期化して困っている
- ・入居者が長く住んでくれない
- ・経営に関しての最適な提案がない
- ・建物・設備の維持管理をどうすればいいかわからない
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