賃貸経営

失敗例から学ぶ!不動産オーナーがアパート経営に失敗してしまう理由は?

失敗例から学ぶ!不動産オーナーがアパート経営に失敗してしまう理由は?

不動産投資がブームとなり、アパート経営に興味を持つサラリーマンも少なくないようです。

しかし、ただアパートを所有すれば、家賃収入が入って安泰かというと、決してそうではありません。

想像通りの投資効果が得られず、赤字経営に陥っている不動産オーナーは数多く存在します。

アパート経営失敗の原因とは、どのような点にあるのでしょうか。

ここでは賃貸経営の失敗例を取り上げながら、成功するアパート経営の方向性を探ります。

アパート経営失敗の原因は”空室”

アパート経営で失敗してしまう人の一番の原因は、空室問題を解決できないことです。賃貸経営の投資効果を得るためには、所有する物件から確実に家賃収入を得る必要があります。

いくら部屋数の多い物件を所有していても、中に人が住まなければ1円の利益も上げられません。空き室だらけのアパートでも、ランニングコストがかかり、借入金の返済は待ってくれません。

入居率が低ければ、それだけマイナスが出てしまいます。

つぎ込んだ資金を何年で回収できるかという利回りの計算は、入居者の入ることが前提となります。

不動産投資として賃貸経営を始める人の中には、賃貸物件さえ手に入ればそれだけで収益を上げられると甘く考えているケースが見られます。しかし、アパート経営は「器」を持つのがゴールではありません。ひとつの空室も作らないための決意と戦略なしでは、アパート経営の失敗が目に見えています。

空室を生んでしまう理由は?

空室を生んでしまう大きな理由として、次の3点が挙げられます。

  • 立地の悪さ
  • 入居者ニーズがわかっていない
  • ターゲットが明確ではない

住む場所を決めるときに、人は何を重視するでしょうか。通勤や通学がしやすく、買い物に便利で、周囲環境が良好であることを望むはずです。わざわざお金を出して、暮らしにくい部屋を借りたい人はまずいません。立地はアパート経営が成功するための、基本的な条件であると言えます。

入居者となる大多数の層が求める条件と所有する物件とがずれていると、空室が埋まりません。学生や独身者が多い街で、ファミリータイプの部屋ばかりそろえても、ニーズがないのは当然です。逆に繁華街から遠く、小学校などがある住宅街では、若者向けのアパートに人気が集まるとは考えられません。

いったい誰に住んでもらおうとしているのか、ターゲットが明確でないアパートも空室発生の危険があります。ターゲットが絞り込めていないと、家賃設定が適正でなかったり間取りや設備に問題があったりと、住む側にとって選択しづらい物件になります。

立地の悪さが原因で失敗してしまう事例

アパート経営が失敗する立地の例としては、次のようなものがあります。

  • 公共交通機関が使いづらい
  • 買い物が不便
  • 公共の施設がない
  • 環境が悪い

最寄り駅やバス停が近くになく、通勤通学に時間がかかる物件は、どの世代や属性からも敬遠されがちです。スーパーがない、コンビニまで遠いなど、日常の買い物に不便な場合や、病院や公園、役場などの公共的な施設がないのも賃貸物件としては不利になります。治安が悪い、幹線道路や鉄道の騒音、汚水処理施設で悪臭がするなどの周囲環境も、立地の悪条件です。

「立地が少々悪くても家賃を下げれば入居者が集まる」といった意見も聞かれますが、実際にはそう簡単ではなく、そもそも家賃を下げるという発想が不動産投資の視点からは最悪です。立地が悪い限り、入居率を上げるのは難しいと言わざるを得ません。

立地が悪いと判断した場合、その解決策としては、思い切って手放すことを検討する必要があります。

入居者ニーズがわかっていないことで失敗してしまう事例

失敗してしまう事例入居者ニーズがわかっていないことで失敗してしまう事例

例えば、同じ東京都内でも、場所によっては同じ間取りでも家賃がまったく違うように、そのエリアの相場があります。また、多数を占める世帯の大きさと見合った物件でないと、入居者のニーズに応えられません。

周辺物件と比べて極端に家賃が高かったり、ワンルームマンションが多い場所にファミリー向けの間取りの物件を展開したりしてもうまくいかないのは当然と言えるでしょう。1Kの家賃相場が6~7万円のエリアで、8万円以上を付けて集客しても、最初から検索対象から外されてしまう可能性があります。

どのような世帯に人気のエリアなのか、それに見合う間取りはどういったタイプなのか、家賃相場はどのくらいなのかなど、近隣の状況を調査することが大切です。入居率を調べると、人気のある物件タイプがわかります。アパート経営に失敗しないためには、所有物件が立地する地域のニーズを知る必要があります。

ターゲットが不明確なことで失敗してしまう事例

想定されるターゲット層が不明確なままでは、入居率の低下につながります。

例えば、男性と女性では欲しいと考える設備に違いがあるため、そこに気付けないでいると呼び込みたいターゲットに選んでもらえません。特徴的な例として、2階以上や南向きといった条件は女性の方が重視しており、男性はインターネットや駐車場の有無を考慮に入れる傾向が見られます。

ターゲットが明確でないと、売りにできるアピールポイントも弱くなります。女性をターゲットとするのであれば、日当たりの良さや治安、キッチン設備の充実を謳うのは効果がありますが、物件自体が男性向きであったり、入居者に男性が多い土地柄だったりという場合には効果が薄れます。他の賃貸物件との差別化を図り、入居率を上げるためにはターゲットの選定が不可欠と言えます。

その周辺で賃貸物件を必要とする層の年収や性別、世帯人数により、ターゲット層の家賃や必要設備・条件、間取りなどが決定されます。

ターゲットがどのような層なのかを明らかにすることで、入居してもらいたいターゲット層の入居につなげられます。

アパート経営に向いている条件は?

失敗しないアパート経営にするための条件を、どのように考えていけば良いのでしょうか。先に述べてきたように、ポイントとなるのは立地、入居者のニーズ、明確なターゲットです。

例えば、東京都心の大学の近くのエリアで賃貸アパートを経営するのであれば、当然ターゲットとしては学生が設定されます。

2015年度の調査では、首都圏の私大生の平均家賃は6万1,200円となっています。これを超えずにやや低めの家賃設定をすれば、価格面はクリアできます。学生の場合は、家探しの決め手は第一が家賃、次いで通学のしやすさとなっています。他の層と比較すると、設備面はそれほど重視されていません。

そこを考慮すると「どこの大学に通う学生なのか」というターゲットの深堀が必要となり、その学校までの通学路状況がひとつの決め手となりそうです。同じ徒歩圏内でも、大きな道路を横断せずに通学できる、途中に買い物エリアがある、などのアピールポイントがあれば入居率は高くなります。

加えて女子学生をターゲットとするのであれば、周辺が明るく治安が良好で、南向き、といった条件も重要です。

上記は失敗しづらいという観点からのひとつの例ですが、選ぶエリアや物件の種類、ターゲットごとに必要条件は変わります。自分がどのようなアパート経営をしたいのかによって、所有物件の性格や立地を決める必要があります。

まとめ

アパート経営は不動産投資の魅力に満ちている一方で、空室を抱え失敗する不動産オーナーの話は良く耳にします。

一般的な失敗例からマイナス要因となるものを探っていけば、成功のヒントが得られます。特に重要なポイントが立地であることを考えれば、不動産投資のカギとなるのは物件選びであることは間違いありません。

自分自身がどのようなアパート経営を目指すのかを明確にし、それが実現できる投資物件を手に入れる必要があります。

十分な事前リサーチを基にして、入居者に求められる賃貸アパートを提供すれば、空室のリスクを回避でき、安定した家賃収入が確保されるでしょう。

ABOUT ME
フドシル専属監修者 東
賃貸不動産経営管理士。 2017年、不動産管理事業の立ち上げから1200戸を新規受託。 リーシング、入居者対応、トラブル対応、リフォーム、保険対応、キャッシュフロー見直しなどあらゆる業務をこなす。 自身も不動産オーナーとして日々奮闘中。 株式会社TonTon執行役員。
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