財産相続などで所有することになった家や土地を、そのまま放置しておいても税金負担が発生するばかりです。
住む予定がない不動産をどのように活用するか、それまで経験がないと悩むところですが、土地活用の方法を選択するときには押さえておくべき留意点があります。
ここでは相続対策として知っておきたい、土地活用方法を選ぶときのポイントについて解説していきます。
目次
土地活用方法を選ぶポイント:①費用や予算
土地活用を考える上でまず気になるのが、採算が取れるまでどのくらい費用がかかるかということ。大規模な建物を建てるには当然大きな資金が必要となりますが、利益を上げて費用を回収できる可能性もそれだけ高くなります。
自己資金があまりなくても、今なら金利も低く、土地を担保にすれば借り入れも難しくありません。多額の借入金を背負うのは気が進まない、というのであれば、比較的負担が少ない方法もあります。
コインパーキングや時間貸し駐車場であれば100~500万円程度で始められますし、月極め駐車場ならばランニングコストも最小限で済みます。
まったくお金をかけたくないのであれば、土地をそのまま貸し出す手もあります。費用負担や予算から土地活用の方法を考える場合、注意したいのが収益性との関係です。
土地を貸すだけなら確かに初期費用はあまりかかりませんが、よほどの広さがあるか、立地が良くなければ高額の地代収入は期待できません。
どれだけ予算をかけられるかという視点も大切ですが、土地活用をするからには、収益とのバランスも考慮する必要があります。
土地活用方法を選ぶポイント:②収益性
収益性から土地活用方法を選ぶ場合には、収入、経費、所得、キャッシュフローの関係を良く理解し、判断する必要があります。一見入ってくる利益が大きく見えても、経費がそれを上回り、実質的にはマイナスになるようではうまい土地活用とはいえません。
収入から経費を差し引いた所得、それにかかる税金、返済を含めたすべての支出と収入の関係を表すキャッシュフロー、これらを想定し、トータルでの収益性を予測します。
収益性はキャッシュフローの大きさによって表されます。リターンの大きい土地活用方法といえば、マンション経営、店舗付き集合住宅、次にアパート、戸建賃貸といったものがあります。
いずれもその他の土地活用方法と比較すると、初期投資額が大きく、その分リスクも高くなります。エリアの需要や立地に左右されやすく、高い収益性が見込めるものの、運用の厳しさが増します。
その土地であればいずれの方法が効率的に収益に結びつくのかを、十分に見極める必要があります。
土地活用方法を選ぶポイント:③リスクの大きさ
リスクの大きさから土地活用を考えた場合、初期投資をできるだけ低く抑えられる方法であれば例え運用益が少なくとも、採算が取りやすくなります。
リスクが低い方法には、土地貸し、平面の駐車場経営、太陽光発電といったものが挙げられます。いずれも初期投資は建築物を作るよりは、ずっと安価で済み、ある程度の収益が見込まれます。売却をする際にも更地に戻しやすく、そのまま引き取ってもらえる可能性もあります。
最近需要が伸びているトランクルームも、賃貸物件と比較すると初期投資は抑えられますが、集客方法や告知方法がまだ一般化されていないのが難点です。
賃貸経営では投資した額を回収するためには、空き室を出さないようにしなければなりません。稼働率が下がると運用益が低下して、赤字経営のリスクが増大します。
土地活用方法を選ぶ際には、経済的なリスクのほかにも、借地権に関わるトラブルや駐車場の管理、各種許認可の可否といったことも考慮しなければなりません。
土地活用方法を選ぶポイント:④相続対策
相続対策として土地活用を行うのであれば、建物を建てる方法が有利です。相続税では、例えば小規模宅地等の特例の居住用宅地の場合、その80%まで土地の評価額を下げることができます。
しかし、相続した土地が更地の場合では、これが当てはまらず、そのままの評価額で相続税が計算されます。そこで有効策となるのが、アパートや貸家などを土地の上に建てる方法です。アパートなどを建てることで、その土地の使用が制限されます。
そのために更地よりも土地の評価が下がるという考え方が、「貸家建付地の評価減」です。
この制度によって土地の評価額を約20%低くでき、さらに小規模宅地等の特例で貸付事業用宅地等の対象と見なされれば50%評価減となります。
土地活用方法を選ぶポイント:⑤実現性
土地活用についてあれこれと想像していても、現実に実行できなければ意味はありません。費用や予算、土地の立地条件などを併せ、もっとも実現性の高い方法がどれなのかを考えます。
実現性だけを見れば、更地にロープを張っただけの駐車場や、近隣の人に土地を貸し出すという手段がもっとも容易です。借主の有無に関わらず事業として成立させられる、太陽光発電施設の設置も実現性という点では優れた方法のひとつです。
一方大きな資金が必要となり、さまざまな許認可を得なければならない賃貸経営は、土地活用の中では実現性の高い方法とは言えません。
ただ実現性については、個人的な状況が大きく関わります。懇意にしている不動産屋がいたり、融資に積極的な銀行と付き合いがあったりする土地オーナーであれば、賃貸経営へのハードルは低く、実現性が高まります。
土地活用方法を選ぶポイント:⑥回収期間や転用性
かけた初期投資分をどれだけの期間で回収できるのか、また売却など転用性から見た場合は有効かといった視点も土地活用方法を選ぶ際には大切なポイントとなります。
回収期間を計算するときには、投資物件の利回りに注目します。不動産の利回りとは投資額に対し、得られる家賃や地代などの収入の割合です。
賃貸物件や駐車場などの利回りでは、10%が目安とされています。利回りが10%であれば、投資額は10年で回収できます。太陽光発電のように運用コストが低いものほど、利回りが高くなる可能性があります。
運用益を想定して計算する場合には、単純に考えずに、かかる経費を収入から差し引いた実質利回りを元にしておくと、現実とのズレを回避できます。
転用性が高い不動産活用としては、建物が不要な駐車場や設備ごと売却可能な太陽光発電が挙げられます。賃貸経営の場合でも物件を売却することはできますが、初期投資額の回収まで考えると損失の発生する恐れがあります。
住まない土地資産におすすめの活用方法は?

総合的な観点から土地資産の有効活用におすすめなのは、次の3つです。
- 駐車場経営
- 太陽光発電
- 賃貸住宅・アパート経営
駐車場経営はある程度の土地の広ささえ確保できていれば、比較的少ない資金で手軽に始められます。他の用途への転用性も高く、売却時にも持ち主の負担が少なくて済みます。
太陽光発電は設備を整えてしまえば、安定的な収入が確保できます。借主を探す手間がいらず、ランニングコストがあまりかからないというメリットがあり、土地の転用性にも優れています。
賃貸住宅経営は、立地や集客の面で難しさはありますが、相続税対策としてももっともポピュラーな方法です。投資額は大きいですが、回収できる可能性が高く、融資先にもさほど困ることはないはずです。
高い資産価値があり、節税効果が得られるのも嬉しいメリットです。
まとめ
所有していない人から見ればうらやましい悩みにも思えますが、不動産の土地活用方法はなかなかの難題といえます。
リスクの少ない方法を選べばその分収益は期待できず、収益性を重視すればある程度のリスクは避けられません。
自分がどこを優先するのかによって選ぶ土地活用方法は変わります。ただ定期借地権や等価交換などを利用すれば、借入金の負担なしでも賃貸経営を実現できるなどの手段はあります。
所有している規模や立地条件に合わせ、どのような活用方法があるのかを探すところから着手すると良いでしょう。
土地活用方法のそれぞれの特徴を理解し、適切な選択を検討していきたいものです。

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