不動産投資を行ううえでは、専門的な知識が必要になり、不動産会社の的確なアドバイスが欠かせません。
不動産会社のなかには、中古物件を扱っている業者や新築物件を扱っている業者、土地選びから物件の建築までのすべて行っている会社もあります。
不動産投資で欠かせない不動産会社の選び方を、初心者向けに5つのポイントで紹介します。
良質な不動産会社の共通点
良質な不動産会社には、
- 迅速な対応
- 真摯な説明
- 無料相談会を実施
- 売買から管理までをワンストップで行う
- 口コミや評判が良好
といった5つの共通点があります。
この共通点を見極めることで、パートナーとして信頼のおける不動産会社を選択できます。
対応が早くて丁寧
不動産会社との打ち合わせの際にすべてが完結すれば理想ですが、業者と会っていないときにも疑問や不安感などは湧いてきます。
そのようなときにこそ、業者選定のポイントといえます。投げかけた疑問や質問にどれだけ迅速に答えてくれるかを見定めましょう。
不動産投資のリスクも説明してくれる
不動産投資は、株・FXなどに比べるとリスクが低い傾向にあります。
また、家賃収入、不動産売却収入という2つの収入源があり、安定した利益を得やすいところが魅力でもあります。
しかし、投資である以上、まったく失敗するリスクが無いわけではなく、最悪の場合負債を背負ってしまうこともあります。
そのため、不動産会社としては、失敗例を説明したくはないというのが本心です。
ですが、顧客のためを考え、失敗例などをしっかり説明してくれる不動産会社は信頼できる業者であるといえます。
リスクや失敗例の説明をまったくせずに、物件の売買のみを勧めてくる業者は自分自身の成績や売り上げしか考えていません。
そういった業者にあたった場合は、別の不動産会社を探した方が無難です。
無料相談会を実施している
不動産投資は決して安くはない自己資金を費やすため、失敗は避けたいものです。
できる限りリスクを避け、投資に失敗しないためには、最低限の知識を得ておく必要があります。
そういったとき参考になるのが、無料セミナーや相談会です。無料セミナーや相談会を開催している会社は、不動産投資を行うに際に非常に心強いものです。
また、各地でセミナーや説明会を開いている会社は社員数が多いため、実際に参加すれば社員のよさも分かるようになります。
それだけではなく、不動産投資の基本知識や情報を教えてくれるので、情報収集の意味でも非常に役立ちます。
売買から管理まで一貫して行っている
物件の売買だけではなく、物件購入後のアフターフォローがしっかりしている会社を選びましょう。
販売会社と賃貸管理会社が別の場合、相談者は販売会社とは関係ない別の管理会社と毎回契約を結ばなければいけません。
その場合、管理会社が入居率を上げるための対策を十分に採ってくれない場合があるのです。
しかし、売買から管理まで一貫して行ってくれる場合、入居率を高めることは顧客の満足度を高めることであり、今後のリピート購入の可能性が生まれます。
そのため、販売から管理までワンストップで行っている業者の場合、空室が出たときの対応をしっかり行ってくれるケースが多くみられます。
口コミ評判がよい
不動産会社を選ぶ際は口コミや評判も着目しましょう。実際に利用した人の忌憚のない意見は、非常に有益な情報になります。
たとえば、リピーターが多い業者や、インターネット上でよい口コミが多い不動産会社は、顧客満足度が高い会社であると判断できます。
必ずしも規模の大きな会社や社員数の多い会社がよい会社であるとは言い切れないため、業者を選ぶ前に一度口コミや評判を確認してください。
不動産会社の役割は不動産オーナーのサポート
不動産会社とは、不動産会社の中でも投資不動産の販売を主に行う会社となっており、相談者が購入する物件の提案や不動産経営のサポートなどが主な業務です。
つまり、不動産会社の仕事とは、「不動産投資に関する総合的なサポート」なのです。
不動産会社は大きく、
- 物件紹介
- 収支計画作成
- 各手続きに対してのサポートを行う
という3つを役割として担っています。これらの仕事をすべて一貫して行ってくれる会社を選ぶようにしましょう。
販売と管理を行う会社が別の場合、相談者は都度、契約を結ばなければならず、信頼関係を築く時間がかかってしまいます。
また、販売・管理の会社は自分自身の仕事の範囲でのみ動くため、十分な対策を採ってくれない場合があります。
しかし、販売から管理まで一貫して行ってくれる場合、安心して仕事を任せることができ、信頼関係もより良好になっていきます。
そのため、できるだけ販売から管理まで一貫して行っている会社を選ぶようにしましょう。
不動産会社を利用するメリットはオーナーの手間の簡素化
会社員をしながら資産を増やす場合、副業として不動産投資を行うのが一般的です。本業とのバランスを考えると、不動産会社を利用した方が効率的に投資を進められます。
たとえば、入居者からの問い合わせやクレームなども、管理を引き受けている投資会社に依頼すれば解決してくれます。
また、別のメリットとしては「地方の物件でも購入できる」という点が挙げられます。
地方の物件は利回りが良く、不動産投資に向いている物件が多いため、不動産会社に管理を任せられることができれば今まで以上に投資の範囲を広げることが可能です。
不動産会社の選び方3つのポイント
不動産会社は、オーナーの手間を省いてくれるという大きな役割を果たします。
しかし、選び方を間違えてしまうと、ただ契約料が発生しただけで、さまざまな不動産トラブルを自分で解決しなければならないといった事態も起きかねません。
購入したいエリアでの実績があるか
不動産業界には、それぞれの地域に強い不動産会社があります。このような業者の場合、そのエリアで高い満足度を誇っていることが少なくありません。
地域密着で営業している不動産会社は、それ以外の営業エリアを持っていません。
そのため、根ざしている地域で悪い評判や実績が流れると経営が立ち行かなくなることもあります。
その点、特定の地域で長く営業活動を行っている業者は、その地域で信頼を得ている、優良業者であると考えられます。
大手でなくてもよい業者はある
大手の業者というと
- 資本金の額が大きい
- 従業員の人数が多い
- 様々な豊富な実績がある
- 評判や口コミがよい
などのイメージを抱く人も多くいます。
このイメージに沿うと、大手の不動産は優良業者のように思えますが、大手でなくとも優良な業者はあります。
そういった業者は以下のような特徴があります。
- 各顧客に対してそれぞれに合った物件を紹介してくれる
- リスクやデメリットなども隠さずしっかり説明する
- アフターフォローがしっかりしている
このように不安や疑問が多い顧客目線に立って、丁寧な対応を行ってくれる業者を選択しましょう。
無料相談での対応を比較する
不動産会社のなかには、無料相談セミナーを開催している業者が多くあります。
このような業者のセミナーに多く参加して、それぞれを比較してみましょう。丁寧に相談してくれる業者がある一方、大筋しか説明しない業者もいます。
無料相談セミナーは業者の違いを測り、よりよい業者を選ぶためにも欠かせません。
絶対避けるべき悪質な不動産会社の特徴
優良業者がある一方で悪質な不動産会社もあります。
悪質な不動産会社を選んでしまうと、後々大きなリスクが発生する恐れがあるので注意しましょう。
「必ず儲かる」などメリットしか話さない
悪質な業者の常套句として、「必ず儲かる」「絶対損はさせない」という甘い言葉があります。
投資において、「必ず」「絶対」という甘い言葉は存在しません。こういった言葉を安易に口に出す業者には、疑問を持つようにしましょう。
また、「20~30%もの高利回りが期待できる」というように、高利回りばかりを強調してくる業者がいますが、不動産投資の利回りが20%~30%などということは期待できません。
万が一、諸経費を含まない計算だとしても、そこまでの儲けはないと考えるべきです。このような甘い言葉ばかりを言ってくる業者に関しては十分注意し、避けるようにしましょう。
勧誘が度を超してしつこい
悪質な業者を判断する際にチェックしたいのは「必ず儲かる」「絶対損はさせない」という甘いセールストークだけではなく、営業姿勢にも特徴が現れるので、しっかり観察し注意する必要があります。
とくに注意すべき勧誘方法として、断ってもしつこく勧誘してくる、というものがあります。
いつどこで調べたのかは分かりませんが、何度断っても自宅や携帯電話、または勤め先にまでも電話をかけてくる、またはしつこくアポイントを求めてくる場合があるのです。
その都度しっかりと断ることができればよいのですが、性格的に断ることが苦手な方は、このようなしつこい連絡に押し切られて会ってしまうときがあります。
実際に会ってしまうと、勧誘がより強くなり、ファミレスなどで長時間セールストークを聞かされたうえ、その日のうちに契約を求められる可能性があります。
そのような業者はさらに先を予測して、契約者にクーリングオフができないようローンの手続きを強引に進め、後戻りができないように目回ししていることも多く、注意が必要です。
しつこい勧誘は、きっぱり断ることが重要ですが、それが難しい場合は相手の会社名や電話番号などをはじめにしっかり聞き出しておき、何か困ったことがあった時は消費生活センターや専門家に相談しましょう。
担当者が宅建士の資格を有していない
宅建士の資格を持っている担当者すべての人がよい担当者であるとは言い切れません。
よい担当者かどうかを判断する場合、宅建士の資格の有無について調べましょう。資格保持者は不動産について勉強し資格を取得したということですから、ある一定の信頼は持ってもよいでしょう。
また、賃貸や売買などを行う際、最後に「重要事項説明」というものが必ずあり、その説明に関しては宅建士を持っている担当者が対応しなければいけません。
業者によっては、宅建士を持っていない担当者で「重要事項説明」を行おうとする会社もあります。このような会社は誰が説明しても良いだろうという軽い認識を持っていることが多く、信頼できる会社とはいえません。
しっかりと説明してもらうためにも、宅建士の資格を持っている担当者に対応してもらいましょう。
宅建士の資格の有無に関しては、名刺への記載や社員証明書の名札に宅建士と書かれているので、きちんと確認しておきましょう。
まとめ
今回は不動産投資を考えている方々に向けて、信頼できる不動産会社の選び方を様々な角度から解説してきました。
対応の迅速さや、リスクをしっかり説明してくれる誠意、色々な相談間口を用意してくれているなど、よい不動産会社を見極める要素は意外と多くあります。
不動産投資で成功するのであれば、まずは、投資会社から選ぶようにしましょう。


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