タワーマンション投資のメリット・デメリット|投資リスクも徹底解説

タワーマンションの外観

タワーマンションの定義

そもそも「タワーマンション」とされる物件には、どのような定義があるのでしょうか。

一般的には「高さ60m以上で20階建て以上」ともいわれていますが、税制上は「高さ60m超」とされています。

また、周辺のマンションよりも高かったり、室内からの眺めが良かったりすれば、これより低層でもタワーマンションと呼ばれることがあります。

なお、建築基準法では、高さ60m以上の建築物は、構造耐力の基準が厳しくなっています。

高さが100mを超えると、緊急時に使用するヘリポートの設置が義務付けられます。

設備の安全性についても、低層マンションに比べて厳格に取り決められています。

例えば、「震度6強から7の地震が発生した場合、エレベーターのカゴが落下しないこと」や「震度5弱ではエレベーターがすぐに停止すること」などの基準を満たさなければいけません。

消防法による決まり

タワーマンションでは、20階を超える階層で火災が発生したときのために、非常用のエレベーター設置が義務付けられています。

はしご車の高さ限界は約31mなので、消火活動は当該箇所にて行う必要があるからです。

タワーマンションのメリットデメリット

展望の良さや充実した共用施設は、タワーマンションの魅力です。

強固なセキュリティシステムの導入や、豪華なエントランスなどもタワーマンションならではのメリットといえるでしょう。

逆に、高額な修繕費用や管理費、エレベーターが故障すると身動きが取れない、出入りに時間がかかるなどのデメリットがあります。

低層階と高層階どちらを選ぶべきか

低層階と高層階の分譲価格に大きな差が生じるのも、タワーマンションの特徴です。

場合によっては単価が1.5倍以上も開きます。

  • 低層階自宅として利用する居住者が主になります。
    タワーマンションならではの利便性や設備を目的に購入している層が多いため、実用性優先の階層というイメージです。
  • 高層階利便性の高いタワーマンションですが、高層階は眺望やステータスといった付加価値が付きやすく、家賃を高く設定しやすい為、投資目的の利用も多くなります。
    また、利便性を兼ね備えたセカンドハウスとしてのニーズも高く、低層階に比べると購入者の幅は広がります。
    賃料も高層階の方が高額なため、入居者属性が良くなるというメリットがあります。当然、家賃の滞納リスクも下がります。

タワーマンション投資のリスク

最大のデメリットは「ランニングコスト」です。

ホテルのようなサービスを提供していたり、本格的なジムが完備されていたりするタワーマンションや、プールやスカイラウンジがあるタワーマンションも珍しくはありません。

このような豪華設備の利用は「無料」ではなく管理組合が運営費を負担しています。

つまり、全ては管理費に含まれているのです。

タワーマンションは住戸数が多いので運営費は負担にならないという考えもありますが、本当にそうでしょうか。

どんなに多いといっても、1,000~2,000戸程度です。

スポーツジムやスカイラウンジを経営しようとした場合、1,000~2,000世帯程度の市場で経営が成り立つかといえば、相当に厳しいでしょう。

つまり、タワーマンションの豪華な設備は初めから赤字前提で作られているのです。

こういった便利な施設を使わないのであれば、高額な管理費は払い損になってしまいます。

いずれは、管理費を滞納する世帯も増えてくるはずです。

そうなると「管理破綻」となり、せっかくの設備が使えなくなる可能性さえあります。

さらに問題なのは、タワーマンションならではの設備を維持するための費用と修繕費です。

例えば、タワーマンションでは、非常用のエレベーターを設置しなければいけません

もちろん、これを動かすための自家発電装置も必要です。

このような設備は緊急時以外に使用しないのでお金がかからないかといえば、そうはいきません。

定期的なメンテナンスや、年に1度の試運転だけでも、かなりの金額が必要になるのです。

設備の寿命も短く、40年をめどに交換をしなければいけません。この費用は大変高額になります。

火災発生時のスプリンクラーが各階に設置されている場合は、それらの設備もメンテナンスや定期的な交換が必要です。

ところが、タワーマンションの修繕計画を見てみれば、この緊急用エレベーターや自家発電装置の交換、メンテナンスの費用が計上されていない例も珍しくないのです。

一般的に、タワーマンションでは、新築分譲時には修繕費や管理費などを低くして、築年数の経過と共に値上げしていくという方法を採用しているケースが散見されます。

このやり方は、修繕費が段階的にどこまで値上げされるのか全く不透明であるという問題があります。

タワーマンションには、お金がかかる設備が山のようにありますので、事実上、修繕費用は青天井と言えるでしょう。

設備のほかにも修繕費がかかる場所はいくらでもありますが、代表的な部分は「外壁」です。

外壁の定期的な点検はタワーマンションに限らず行われますが、タワーマンションでは足場を組んで外壁の点検やメンテナンスをすることができません

通常のマンションなら簡単に済む点検も、タワーマンションでは難易度の高いものになるのです。

足場が組めないため、ゴンドラを吊るしての点検や工事を行います

この方法は、足場を組んで点検するときよりも高額な費用がかかります。

外壁などの点検修繕費が修繕計画に入っていない場合には、区分所有者が追加で修繕費を支払うことになります。

このように、タワーマンションのランニングコストは、大変高額になります。

残念ながら、ランニングコストのリスクはあまり知られてはいません。修繕計画の内容をきちんと確認することなく購入してしまう人もいます。

今のところはまだ問題が顕在化していませんが、あと数年もすれば、タワーマンションの大暴落が起こる可能性も捨てきれません。

修繕の合意がとりにくいというのも、タワーマンション独特のデメリットです。

低層階と高層階では入居している層が明らかに異なります。

場合によっては、大規模修繕の合意が得られず、時間だけが過ぎて老朽化が進むといったケースも起こり得ます。

日本で最も古いタワーマンションは築20年程度です。

今後10年、20年と経過したときに、タワーマンションの問題が大きく表面化してくる可能性はあるでしょう。

タワーマンション投資で家賃収入は期待できるのか?

東京都心のタワーマンションを見てみますと、利回り2%から3%、人気物件で平米あたりの価格が200万円前後です。

ほかの一般的なマンションに比べると、明らかに投資対象としては面白くありません

エリアによっては5%から7%の利回りを実現できる物件もありますが、探すのは難しいかもしれません。

仮に利回りが2%だとすると、ローンの返済や管理費、修繕費の積み立ての支払いで、利益はほとんどないと思って間違いありません

タワーマンションに投資する場合には、利益が確保できる利回りの確認を忘れないようにしてください。

資産価値の安定は続くのか?

タワーマンションは値崩れしにくいといわれていますが、前述したように、現時点では築20年程度の物件しかないため、今後の値動きを予想するのは難しいというのが結論です。

ただし、タワーマンション特有の税制があるため、中古物件の値崩れは起きにくいとされています

高層階は人気があるので、分譲価格も高くなります。

ところが、相続税における評価額は床面積が基準になるため、階層の高さは関係ありません

つまり、同じ広さで同じ間取りであれば、2階でも40階でも評価額は同じということなり、「分譲価格」と「評価額」の間に大きな差が生じてしまうのです。

例えば、

分譲価格1億円の40階の部屋を購入したとします。

同じ間取りの2階の部屋が3,000万円の評価額だった場合、
40階の評価額も3,000万円になります。

1億円を現金で相続するより7,000万円も低く済んでしまうのです。

2017年には税制が改正されて、高層階ほど固定資産税が高くなるようになりました。

2018年以降に引き渡される新築のタワーマンションは、この新しい税制が適用されます。

ただし、この税制改革の影響は限定的だという意見も多く聞かれます。

その理由は、「新税制が適用されるのは2018年以降の新築物件で、既存のタワーマンションは影響を受けない」というものです。

それどころか、中古物件は適用外ということで、中古タワーマンションの高層階には価格の上昇が見られる物件もあります。

いずれにしても、まだ導入されたばかりの新税制ですので、今後の動向に注目していきましょう。

投資対象として選びたい物件

利便性の高さが魅力のタワーマンションに投資するなら、何より「立地」を重視するべきでしょう。

最低限、都市部にあるタワーマンションを選択してください。

東京都内であれば渋谷区、港区、江東区などを。

関西ならば、難波や梅田周辺の人気エリアにある物件を選びましょう。

名古屋なら栄、京都は四条烏丸近辺が人気エリアです。

さらに、駅から徒歩5分以内かどうかは評価額の大きな分かれ目になるため、必ず意識する必要があります。

入居率を高めるために角部屋を選ぶことも大事です。

高層階の角部屋は、空室が出てもすぐに埋まるほど需要があります。

展望の良さも確認してください。

高層階でも、すぐ隣に同じ高さのタワーマンションが建っていたのでは展望が台無しです。

前述しましたが、修繕計画と修繕積立金のチェックも忘れないようにしましょう。

タワーマンションは、10年から15年ごとに大規模な修繕工事をする必要があります。

長期修繕計画が杜撰だったり、修繕積立金が安すぎて工事に対応できそうにもなかったりするような物件は避けた方が無難です。

いずれ中古物件として手放すときに、思い通りの価格で売れなくなる可能性もあります。

まとめ

タワーマンションは、不動産投資の醍醐味である家賃収入、売却益、税金対策の3つを同時に叶えてくれる投資物件です。

入居したくなるような魅力的な物件を選ぶことはもちろん大事ですが、管理がしっかりと行われているかどうかの確認も重要です。

タワーマンション投資のリスクをしっかりと理解したうえで、ぜひ、購入を検討してみてください。

ABOUT ME
フドシル専属監修者 東
フドシル専属監修者 東
株式会社TonTon 不動産管理課 マネージャー。 2017年、不動産管理事業の立ち上げから1年半で650戸を新規受託。 リーシング、入居者対応、トラブル対応、リフォーム、保険対応、キャッシュフロー見直しなどあらゆる業務をこなす。 自身も不動産オーナーとして日々奮闘中。 2018年、賃貸不動産経営管理士試験合格。
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