新築アパートで賃貸経営を始めるメリット・デメリットを徹底解説

新築アパートで賃貸経営を始めるメリット・デメリットを徹底解説

アパートの賃貸経営を始めるにあたって、新築アパートを選ぶべきか、中古アパートを選択すべきか、迷っているオーナーは少なくありません。

新築には新築の、中古には中古ならではの良いところがあるので、それぞれの特徴やメリット、デメリットをよく理解してから自分に合った物件を選ぶことが大切です。

そこで今回は、賃貸経営を新築アパートまたは中古アパートで始めることのメリットやデメリットをまとめてみました。

あわせて、サラリーマンがアパートの賃貸経営を始めた場合のメリットについても紹介します。

賃貸経営を新築アパートで始めるメリット・デメリット

新築アパートで賃貸経営をする場合、空室リスクの回避や耐震耐火といった構造面、それに起因する高賃料といったメリットが挙げられます。

一方、新築であるために、中古アパートに比べると初期費用が高くなり、利回りが低くなってしまう傾向にあります。

新築アパートのメリットは空室リスクの低さや災害への強さ

新築アパートで賃貸経営を始めることには、入居率の高さなどたくさんのメリットがある反面、コスト問題を始めとするいくつかのデメリットがあります。

まずは新築アパートを購入するメリットを、5つご紹介します。

入居率が上がりやすく空室リスクが少ない

新築アパートの場合、見た目がきれいな上、設備にも老朽化が見られないので、年季の入った中古アパートよりも入居希望者に選ばれやすい傾向にあります。

常に入居者が入っていれば空室リスクによる収入の目減りが解消され、賃貸経営が軌道に乗りやすくなります。

災害に強い物件が多い

災害による被害を最小限に食い止める災害に強い物件が多い

新築アパートには最新の耐火構造・耐震構造が採用されているケースが多く、大きな災害があっても持ちこたえられる優れた耐久性が備わっています。

借り主が安心して入居できるのはもちろん、災害による被害を最小限に食い止められればオーナーにとって修繕の手間と費用を抑えられるというメリットがあります。

金融機関の融資審査に通りやすい

多くのオーナーはローンを組んで賃貸経営用のアパートを購入しますが、金融機関から融資を受けるには所定の審査をパスする必要があります。

金融機関は貸し倒れを防ぐために、賃貸経営の収益性を重視しますが、先に説明した通り、新築アパートは耐用年数が高いため、審査に通りやすい傾向にあります。

賃料を高く設定できる

新築アパートは入居率が高い上、「築年数が古い」「設備が悪い」といった借り手に対する負い目が少ないことから、賃料を高めに設定することができます。

賃料は一度下げるとなかなか上げることができないため、最初から強気で設定できるのは大きなメリットとなります。

見えない欠陥や不具合を補償する瑕疵担保責任が最低10年となる

不動産の売買契約において、売り主は買い主に対してあらかじめ建物の不具合などを伝える義務がありますが、建物の基礎部分など見えない部分の不具合はわかりにくく、購入後しばらくして発見される可能性があります。

そこで不動産の売買において、売り主は引き渡しから一定期間にわたって見えない欠陥や不具合(瑕疵)に対して責任を負うことが義務づけられています。これを瑕疵担保責任と言います。

瑕疵担保責任は新築・中古ともにありますが、中古アパートの場合は最低2年と短いのに対し、新築アパートは最低10年と長期間にわたるため、安心して購入することができます。

新築アパートを購入するデメリット 購入価格の高さや利回りの低さがネック

新築アパートで賃貸経営を始める場合のデメリットは主に3つあります。

物件の購入価格が高く利回りが低い

新築アパートは中古アパートに比べて物件価格が高いため、月々の返済額が多額になります。返済額が大きいと利回りも低くなるため、投資の回収が遅れるおそれがあります。

減価償却期間が長くなると会計処理が面倒になる

不動産などの固定資産を購入した場合、法定耐用年数に則って経費を毎年分割計上するのが一般的です。

平成28年4月1日以降に取得した建物については、取得金額を法定耐用年数で割って減価償却費を求める定額法が適用されますが、新築アパートは法定耐用年数が長く設定されているため、中古よりも減価償却期間が長くなります。

減価償却による節税効果は大きなメリットですが、会計処理の期間が伸びると手間が増えることも忘れてはいけません。それは税制法の改定です。税制法の改定によって耐用年数の見直しがされた場合、これら減価償却に関わる数値を改めて計算し直す必要があります。

複雑な処理が必要になる可能性もあることを念頭に入れておきましょう。

アパートの完成が遅れることがある

土地から建てる新築アパートの場合、工期は決まっていますが、建築業界の繁忙期に重なったり、何らかのアクシデントが発生したりすると完成が遅れることがあります。

数ヵ月単位で遅れることはありませんが、たった数日の遅れが賃貸経営に悪影響を及ぼす可能性もゼロではありませんので、既存の中古アパートに比べると多少のネックになります。

中古アパートのメリット・デメリットを新築と徹底比較

中古アパートは、新築アパートと比較した場合、安価で購入できるため、高い利回りが期待できます。

その一方で、老朽化による空室リスクは修繕費用の発生といったデメリットがあることを覚えておきましょう。

コストを抑えて回収率アップ!中古アパートで賃貸経営を始めるメリット

コストを抑えて回収率アップ!コストを抑えて回収率アップ!中古アパートで賃貸経営を始めるメリット

中古アパートを購入するメリット・デメリットは、新築アパートのそれとほぼ対照的となっています。

新築から1年以上経過したアパートは中古アパートとみなされますが、新築アパートに比べると以下のようなメリットがあります。

購入コストを抑え高利回りが期待できる

アパートの賃貸経営を始めるにあたり、最も大きな出費となるのが物件の購入費です。

中古アパートを購入することでローンの返済額を抑えれば、それだけ純収入が増えて初期投資額をすばやく回収できるようになります。

減価償却期間が短く節税が見込める

中古アパートの法定耐用年数は新築アパートより短く設定されています。

そのため長期間の節税は見込めませんが、減価償却期間中の一年あたりの節税効果は高くなるため、収入が手元に残りやすくなります。

購入後すぐに賃貸経営をスタートできる

新たにアパートを建てる場合、完成まで時間がかかるので実際に賃貸経営を始めるのが遅くなってしまいます。

一方、中古アパートならすでに建物や設備が整っているので、購入後すぐにでも賃貸経営を始めることができます。

中古アパートを購入するデメリットは空室リスクや修繕コストが気になるところ

中古アパートで賃貸経営を始める場合、以下4つの点がデメリットとして挙げられます。

借り手がつきにくく空室リスクがつきまとう

中古アパートは新築アパートに比べて外観や設備が古いため、なかなか借り手がつきにくい傾向にあります。

築1~2年程度であれば新築とあまり大差ありませんが、3年以上が経過すると新築アパートとの差が開いてきてしまうのが難点です。

修繕コストがかかる

中古アパートは購入費を安く抑えられるのが利点ですが、その反面、修繕コストがかさみやすいというデメリットがあります。

特に築年数がかなり経っている中古アパートは大規模な修繕やリフォームを必要とする場合があるので注意が必要です。

金融機関から融資が受けにくくなる

中古アパートは借り手がつきにくいため、金融機関に融資を申し込んでも断られてしまったり、あるいは希望の条件でローンを組めなかったりする可能性があります。

ある程度の頭金を入れれば融資が通りやすくなりますが、元手が少ないから中古アパートを選んだという方は、希望の融資を受けるまでにやや時間がかかることを覚悟しておいた方がよいでしょう。

賃料を低く設定しないと借り手が付きにくい

中古アパートは新築アパートに比べて外観や内観のきれいさ、設備の良さなどでどうしても見劣りしてしまいます。

駅チカなど好立地である場合は別ですが、間取りなどの条件が同じであれば、新築アパートよりも賃料を低く設定しないと借り手がつきにくいのが現状です。

大規模なリフォームやリノベーションを行えば中古アパートの欠点をカバーできますが、その場合、多大な費用がかかってしまい、中古アパートを購入するメリットがなくなってしまうのがネックです。

立地から利回りまで!賃貸経営に適した新築アパート選びのポイント

新築アパートとひと言にいっても物件ごとに特徴や条件が異なるので、より賃貸経営に適した物件を選ぶことが大切です。

ここでは新築アパートを選ぶ時に重視したいポイントを3つにまとめてみました。

最も重要視したいのは立地の良さ

最も重要視したいのは立地の良さ最も重要視したいのは立地の良さ

賃貸経営を成功させるためには、常につきまとう空室リスクをいかに抑えるかが重要なポイントとなります。

借り手がアパートに何を求めるかは人それぞれですが、生活を送る上で利便性の高い物件は人気が高い傾向にあります。

具体的には駅から徒歩5分圏内にある、スーパーやコンビニが近くにある、病院に通いやすいなど、特に駅チカ物件の場合、オーナーである自分も定期的に訪れて管理しやすくなるのも魅力的なポイントです。

建物の耐震・耐火性がしっかりしていること

新築アパートは中古アパートに比べて耐震・耐火性に優れているのが大きなアドバンテージとなっています。

そのため、施工内容に問題がないかどうか、当初予定していた耐震・耐火基準を満たしているかどうかをしっかり確認することが大切です。

耐久性に問題があると大きな災害が発生した時に多大な損失を被るおそれがありますので、耐久性のチェックは必ず行いましょう。

表面利回りではなく実質利回りで物件を選ぶ

表面利回りではなく実質利回りで物件を選ぶ表面利回りではなく実質利回りで物件を選ぶ

利回りには、想定される年間家賃収入を物件購入価格で割って求める「表面利回り」と、あらかじめ年間経費や購入時の諸経費を差し引いて求める「実質利回り」の2つがあります。

前者の場合、賃貸経営を維持するためのコストを計算に入れていないため、実際の利益との差が大きくなるおそれがあります。

その点、実質利回りは維持費や諸経費込みで計算を行うので、より現実的な利回りを計算することができます。

表面利回りで物件を選ぶと思ったような利益を出せず、賃貸経営が苦しくなってしまう可能性があるので、物件を選ぶときは実質利回りで計算するようにしましょう。

なお、具体的な計算式は以下の通りとなります。

実質利回り計算式

実質利回り(%)=(年間家賃収入-年間経費)÷(物件購入費+購入時の諸経費)×100

節税や不労所得が魅力!サラリーマンがアパート経営を始めるメリット

近年、サラリーマンが副業としてアパート経営を始めるケースが増えていますが、人気の秘密は大きくわけて3つあります。

損益通算や空き地対策で節税効果が得られる

アパートの購入費用は多額なので、減価償却を行うと毎年かなりの額を経費として計上できることになり、帳簿上では赤字になることがあります。

サラリーマンの方は賃貸経営の他に給与所得がありますが、確定申告を行うと賃貸経営の赤字と相殺できるため、所得税や住民税の節税につながります。

また、親などから土地を相続した方は、空き地のまま保有しているより、アパートを建てて賃貸経営した方が固定資産税や都市計画税を安く抑えることが可能です。

安定した家賃収入を得られる

株式やFXなどの投資は刻一刻と変化する景気や為替動向に左右されるため、安定した収入を得るのは難しいとされています。

一方、賃貸経営は入居者が入っていれば安定した収入を得られますし、建物の耐用年数も高いので長期的な運用が見込めます。

実際、投資用物件の保有者を中心にアンケート調査を実施したところ、今後投資したい投資商品として「国内不動産投資」と回答した人が6割を超えており、次点の「株式」より1割以上多い結果となったことが報告されています。[注1]

[注1]第10回不動産投資に関する意識調査

団信加入で生命保険代わりになる

多くの方は新築アパートをローンで購入しますが、たいていの金融機関では貸し倒れを防ぐために団体信用生命保険(団信)への加入を融資の条件としています。

団信に加入していると、被保険者にもしものことがあった場合、保険会社が残債分を金融機関に支払ってくれるので、遺族に負債が残る心配はありません。

もちろん購入したアパートは遺産として手元に残りますので、売却するにしてもそのまま運用するにしても、生命保険代わりとして活用することができます。

ただし、被保険者から遺産を相続する場合、法定相続人は受け継いだ財産の額に応じた相続税を支払う必要があります。

相続税は基礎控除を差し引いた課税遺産総額に相続税率をかけて算出するため、負債のないアパートを相続すると多額の相続税が課せられる場合があります。

特に投資用のアパートは一般的な建物に比べて評価額が高くなるので注意が必要です。

まとめ

新築アパートを利用した賃貸経営は入居率が高いため、安定した家賃収入を見込むことができます。

ただ、中古アパートに比べると購入費が高くつくため、物件を選ぶときは維持費などのコストや諸経費を考慮に入れた実質利回りで計算することが大切です。

賃貸経営というと専門的なイメージがありますが、近年はサラリーマンが副収入や節税効果を求めてアパート経営に乗り出すケースが増えています。

新築アパートの賃貸経営は本業に支障が出るほど多くの時間を必要としないので、サラリーマンでも副業として無理なく経営していくことが出来るでしょう。

ABOUT ME
フドシル専属監修者 東
フドシル専属監修者 東
株式会社TonTon 不動産管理課 マネージャー。 2017年、不動産管理事業の立ち上げから1年半で650戸を新規受託。 リーシング、入居者対応、トラブル対応、リフォーム、保険対応、キャッシュフロー見直しなどあらゆる業務をこなす。 自身も不動産オーナーとして日々奮闘中。 2018年、賃貸不動産経営管理士試験合格。
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