投資用アパートを賢く売却するための3つのポイントを徹底解説

投資用アパートを賢く売却するための3つのポイントを徹底解説

投資用アパートを売却したいものの、なにからはじめるべきかわからない方も少なくありません。そこで今回は、アパートを売却する際の3つのポイントを解説します。

まずはアパート売却の流れを事前に確認しましょう。また、アパートを高く売却するコツも重要です。

アパート売却で失敗しないためには、税金や手数料などの費用や、過去の失敗事例について知る必要もあります。

投資用アパートを売却する流れや各ステップの注意点

アパートを売却する際の流れや、各ステップの注意点を解説します。

事前準備から売買契約の成立までやることが多いため、事前に確認が必要です。

売却のためにまず準備すること

売出価格の相場観をつかむ売却のためにまず準備すること

投資用アパートを売却する場合、まずは売買契約に必要な書類を準備しましょう。その後、売出価格の相場観をつかむため、アパート一棟の相場価格を調べます。

並行して、アパート一棟の価格を不動産仲介会社に査定してもらいましょう。不動産仲介会社と媒介契約を結ぶ場合、この査定結果などを参考に選びます。

買主が見つかった場合、交渉を行います。契約後のトラブルを防止するため、売却価格はもちろん、特約や物件の瑕疵といった合意の必要な事項についても確認します。

条件が合意できれば、買主と売買契約を結びます。

アパート売却のために必要な4つの書類

中古アパート一棟を売却する場合、少なくとも4つの書類が必要です。

売買契約書 必要な取り決めを記載し、買主と売買契約を結ぶ書類です。
登記済証または登記識別情報 物件の特定と所有権の移転に必要です。
固定資産税の納税通知書 移転登記の際、登録免許税の算出に必要です。
登記簿謄本 登記事項証明書とも呼ばれます。法務局で発行できます。

もっとも重要なのは売買契約書です。

個人間売買でも、トラブル防止のために必要です。不動産仲介会社に依頼する場合、契約書も作成してもらえます。

REINS・土地総合情報システムなどで売却相場を調べる

自分で売却相場を調べて、相場観をつかむことも重要です。売却相場を知らなければ、アパートの査定結果の妥当性も判断できないからです。

REINSは不動産流通機構の情報サイトで、過去の売却事例をチェックできます。駅からの距離、築年数、広さや間取りといった細かい情報も調べられるのが特徴です。

土地総合情報システムは国土交通省の提供するデータベースであり、同様に信頼性があります。こちらでは過去5年間の取引価格や地価公示といった実際の売買事例がわかります。

民間企業の不動産投資ポータルサイトも活用できます。掲載数が膨大なため、売りたい物件とよく似たものを調べることで、相場観をつかめます。

ただし、掲載されているのは売却希望価格であり、実際の売却価格ではありません。

不動産仲介会社の選定で重要な4つのポイント

不動産仲介会社に売却を依頼する場合は、選定が重要です。

以下の4つのポイントに注意し、信頼できるビジネスパートナーを見つけましょう。

  1. 査定の際に営業担当者の対応や仕事ぶりを見る
  2. 免許番号の数字や行政処分歴を調べる
  3. 不動産仲介会社の得意分野を確認する
  4. ポータルサイトで口コミ情報をチェック

訪問査定などで不動産仲介会社の担当者と面会する際、信頼できる人物かどうか確認しましょう。

また、査定額の根拠や今後の販売戦略について質問し、具体的なビジョンを持っているかチェックすることも大切です。

宅地建物取引業の免許番号には、括弧の中に数字が書かれており、免許の更新回数を意味します。免許は5年で更新されるため、不動産売買や賃貸の経験を推測できます。

また、宅地建物取引業者名簿を確認すれば、過去の行政処分歴を調べられます。一部の都道府県ではインターネットでも確認できます。

不動産を取り扱う会社には得意分野があります。たとえば、マンションデベロッパー、不動産投資ファンドにアパート売却を依頼するのは畑違いです。

売買物件の媒介業務を行う会社のなかでも、中古アパートの売却に強い会社を選びましょう。

最後に不動産投資のポータルサイトなどで、口コミ情報もチェックします。あくまでも参考程度ですが、あまりにも悪評が多い会社は避けましょう。

投資用アパートを高く売却する3つのポイント

投資用アパートを売る以上、せっかくなら高く売却したいものです。ここでは、アパートを高く売却するための3つの方法を解説します。

①アパート自体の価値を高めて売買価格を上げる

アパートの売買価格を上げるには、アパート自体の価値を高めることが大切です。投資用アパートの収益性を上げたり、アパートに付加価値をつけたりすることで、アパートの価値が上がります。

具体的には、下記のような方法があります。

  • アパートの空室率を低くし、収益性の高さをアピールする
  • アパートの損傷や欠陥を修繕し、設備をメンテナンスしておく
  • セキュリティ面を強化するなどアパートに付加価値をつける

一棟アパートを投資目的で購入する方は、まず利回りをチェックします。

高い利回りを得るためのポイントが、空室率の低さです。とくに売却時に空室率が低く、満室に近い状態だと買主に喜ばれます。

相場に見合う家賃を設定したり、入居者と良好な関係を築いたりすることで、空室率の低下につとめましょう。

水回りなど目立つ部分の損傷や欠陥を修繕アパート自体の価値を高めて売買価格を上げる

また、目立つ部分の損傷や欠陥を修繕することも大切です。

アパートの査定額だけでなく、内見の際の印象にかかわるため、売買価格に影響します。とくにキッチン、風呂、洗面台などの水回りは汚れやすく、物件の印象を左右します。

アパートに付加価値をつけることでも売買価格を高められます。たとえば、監視カメラやオートロックなどでセキュリティ面を強化すると、安全面に関心の高い女性を中心に支持を得られます。

アパートのある地域のニーズを分析し、ほかの物件と差別化するための施策を検討しましょう。

②売却に適したタイミングを見極める

同じ物件でも、高く売れる時期に売ることでより利益を上げられます。ここでは適切なタイミングの見極め方を4つ紹介します。

まずはアパートの売却に適した時期です。3〜4月は新生活に合わせて需要が高まります。なので満室になりやすいこの期間での売却が最適と言えます。

もちろん、満室になればそれは間違いなく絶好のタイミングです。 必要書類の準備や売買契約の手続きには3ヵ月程度かかりますので、1月上旬までには準備を始めましょう。

また、アパートは築年数に伴って劣化し、価格が下がります。東日本不動産流通機構の2016年の調査では、売却価格の低下は築15年以上から激しくなります。[注1]

築11〜15年目をひとつの目安にして、売却のタイミングを見極めましょう。

アパートが立つ土地価格に着目し、市況をチェックするのも大切です。市況は2013年から回復し、土地価格は上昇傾向です。東京オリンピックや大阪万博など上昇要因はまだあるため、土地価格としては売却に適したタイミングです。

最後に、アパートの状態にも着目しましょう。空室が少なく、満室に近いタイミングだと収益性が評価されるため、高く売却することができます。

また、アパートの償却期間が満了するタイミングも重要です。減価償却ができなくなると、減価償却費を経費として計上できなくなるため、節税効果が低下します。

[注1]公益財団法人 東日本不動産流通機構:築年数から見た 首都圏の不動産流通市場(2016年)[pdf]

③媒介契約を結ぶ場合は不動産仲介会社を慎重に選ぶ

不動産仲介会社にアパートの売却を依頼する場合、選定に注意しましょう。

不動産仲介会社には得意分野が存在します。売買物件の媒介業務を行っており、なおかつアパートの取引実績が多い会社が、アパート売却に適します。

念のため、過去に行政処分歴がないことも確認しておきましょう。

また、担当者が信頼できるかどうかも重要です。訪問査定の際に担当者の印象が良く受け答えも明確であれば、良好な関係を築ける可能性が高いです。

投資用アパート売却時の費用や注意点を解説

ここでは実際にアパートを売却する際の注意点を解説します。アパート売却には税金や手数料がかかるため、注意が必要です。

また、アパート売却でありがちな失敗事例を知り、それぞれ対策をしておきましょう。

アパート売却には税金や手数料がかかる投資用アパート売却時の費用や注意点を解説

売却にかかる税金や手数料は5種類ある

アパート売却には税金や手数料などがかかります。代表的な5つの経費について、金額の目安や支払い時期を確認しておきましょう。

仲介手数料 総売却額の3.24%+64,800円(税込) 買主と売買契約を結ぶ際に支払う
住所変更登記の費用 登録免許税が1物件につき1,000円 住所変更登記をする際に買主が負担する
抵当権の抹消費用 登録免許税が1物件につき1,000円 抵当権を外す際に買主が負担する
印紙税 1,000円~60,000円ほど(契約金額で変動) 売買契約書の作成時に支払う
消費税 建物の売買価格の8%(営利目的で売却した場合のみ) 個人事業主は翌年の3月末まで。法人は課税期間の末日の翌日から2ヵ月以内

売却時の失敗事例3つとそれぞれの対策をチェック

アパート売却の失敗事例で多いのが下記の3点です。

  1. 1.税金として引かれる金額が予想以上に大きい
  2. 2.売出価格が相場に見合わず、なかなか売れない
  3. 3.不動産仲介会社の得意分野を考慮せず、選定を誤った

アパート売却ともなると税金の金額も膨らみます。

とくに消費税仲介手数料は売買価格から割合で算出されるため、負担が増加します。支払い時期を理解し、まとまったお金を用意しましょう。

また、売却益が出た場合は、譲渡所得から3,000万円まで控除できるマイホーム特例を活用できます。買い替えで売却損が出た場合は、譲渡損失をほかの所得と相殺する損益通算を使いましょう。

アパートが売れないと、修繕費や管理費などの維持費が発生します。その場合、売出価格を見直す必要があります。

同じ地域の売却例や、アパートの査定額を考慮し、相場に見合う価格を決めましょう。また、ローンの返済や買い替えの頭金などを考慮し、最低売却価格を決めると売却期間を短縮できます。

不動産仲介会社の得意分野を調べることも重要です。売買物件の媒介業務が専門でなく、なおかつアパートの取引実績がほとんどない場合は、売却がスムーズに進みません。

アパート売却に強みのある不動産仲介会社を探しましょう。

まとめ

今回は、投資用一棟アパートを賢く売却する方法を解説しました。

アパート売却には、必要書類の準備、価格相場の調査、不動産仲介会社の選定、売買契約などさまざまな手続きが必要なため、事前に確認しておきましょう。

投資用アパートを高く売却するには、アパートの価値を高める方法や、売却タイミングを見極める方法、アパートに強い不動産仲介会社を選ぶ方法などがあります。

投資用アパートは高額な取引のため、税金や手数料などがかかり、金額の目安と支払い時期を知っておくことが大切です。

アパート売却で失敗しないよう、過去の失敗事例を参考にして、事前に対策を練ってみてください。

ABOUT ME
フドシル専属監修者 東
フドシル専属監修者 東
株式会社TonTon 不動産管理課 マネージャー。 2017年、不動産管理事業の立ち上げから1年半で650戸を新規受託。 リーシング、入居者対応、トラブル対応、リフォーム、保険対応、キャッシュフロー見直しなどあらゆる業務をこなす。 自身も不動産オーナーとして日々奮闘中。 2018年、賃貸不動産経営管理士試験合格。
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