入居者に長く住んでもらうことが大切な2つの理由と具体的な7つの対処法

入居者に長く住んでもらうことが大切な2つの理由と具体的な7つの対処法

賃貸経営において、「入居者に長く住んでもらうこと」は大切です。

空室の有無で、アパートの収益性に大きく影響します

入居者がすぐ退去してしまうアパートは、新しく入居者を募集する際のコストがかかりますし、慢性的に空室が存在することによって家賃収入が途絶えてしまいます。

入居者に長く住んでもらうことによって、こうしたリスクを未然に防ぐことができます。

そこで今回は、「入居者に長く住んでもらうこと」が大切な理由のほか、入居者が退去を考える原因も解説します。

入居者の不満を入居者目線で知ることで、入居者に長く住んでもらうための対策につながるからです。

入居者の信頼を長期的に獲得するためのコツも紹介しています。入居者の入れ替わりが激しいアパート経営者の方はぜひ参考にしてみてください。

賃貸経営において「入居者に長く住んでもらうこと」が大切な2つの理由

賃貸経営において「入居者に長く住んでもらうこと」が大切な2つの理由賃貸経営において「入居者に長く住んでもらうこと」が大切な2つの理由

入居者に長く住んでもらうことが大切なのは、空室を減らすことがアパートやマンションの収益性の向上につながるからです。

空室が生じることで賃貸物件の収益性が落ちてしまう原因としては以下の2点が挙げられます。

  • リフォーム費用や広告費用といったコストが発生する
  • 空室リスク・家賃下落リスクが高くなる

以下で具体的に解説しましょう。

①リフォーム費用や広告費用が多く発生するから

入居者が退去し、新たに入居者を獲得しなければならなくなった場合、コストがかかります。

空室を埋めるためには、入居者を集める広告宣伝費が必要です。アパートを自主管理せず、賃貸管理会社に入居者の募集を委託している場合は、所定の手数料もかかるでしょう。

部屋の状況によっては、高額な原状回復費用やリフォーム費用が発生する場合もあります。

アパート経営をしていると、新しく入居者を獲得しなければならない局面はどうしても出てきます。

しかし、入居してもすぐ退去される負のサイクルが生まれると、こうしたコストが積もり積もって、大きな支出になってしまうのです。

②空室リスク・家賃下落リスクが高くなるから

アパート・マンション経営の2大リスクと言われるのが、空室が生まれるリスクと家賃が下落するリスクです。

入居者がなかなか定着せず、慢性的に空室が生じてしまうと、空室期間の分の家賃収入が得られなくなります。

とくにアパートは総戸数が少なく、1戸あたりの家賃収入が占めるウェイトが大きいため、アパートローンの返済原資に家賃収入を見込んでいる場合は注意が必要です。

どうしても空室が続く状況を改善できない場合は、家賃を下げざるを得ないこともあります。家賃を下げてもなかなか入居者が集まらず、入居者の入れ替えのたびに何度も家賃を下げる状況に陥れば、結果としてアパート全体の収益性が大きく減少してしまいます。

ただし、家賃を下げてしまうと、既存の入居者から家賃の減額交渉を受けてしまうケースも。「入居者に長く住んでもらうこと」によって、こういったリスクを防止できます。

なぜすぐ退去される?対策を考える前に知っておくべき「退去の原因」4つ

なぜすぐ退去される?対策を考える前に知っておくべき「退去の原因」4つなぜすぐ退去される?対策を考える前に知っておくべき「退去の原因」4つ

「入居者に長く住んでもらう」ためには、入居者にすぐ引っ越しされる原因を知る必要があります。入居者が退去を考える代表的な原因は以下の4点です。

  • 建物や設備についての不満
  • アパートの管理面に対する不満
  • 入居者同士のトラブル
  • 賃料に対する不満

これらの入居者が不満を持つ原因をあらかじめ想定することで、入居者の流出を防ぐための対策を考えることができます。

①建物・設備・構造に対する不満がある

アパートの建物や設備は経年劣化するものです。アパートの外壁の剥がれや、駐車場のアスファルトにひびが入っているといった外観の部分だけではなく、エアコンや給湯器の故障のような入居者にしかわからない不満も存在します。

また、もともとアパートの壁が薄かったり、部屋の収納が少なかったりと、アパートの構造面に起因する不満もあります。

とくに水回りの設備の故障は不満の種になりやすく、もし管理不行き届きによって入居者の家財に被害が出た場合は、損害賠償に発展する恐れもあります。

建物や設備はアパートの商品力を支える大切な要素のため、不備がある場合は退去の原因になります。

②アパートの管理面でフォローが遅い

建物や設備に対する不満とも関連しますが、アパートの管理面への不満も注意が必要です。入居者が感じている生活環境や設備面への不満に対し、オーナー側のレスポンスが遅いと不満の原因になります。

たとえば、アパートの共用部やごみ置き場などがいつも汚れているのになかなか綺麗にならないと、アパートの衛生管理に疑問が持たれてしまいます。

また、水回りなどのハード面の故障に対し、フォローがあまりにも遅ければ、入居者の信頼を失ってしまいます。

自主管理ではなく、委託管理である場合は、ずさんな管理をする不動産管理会社を選んでしまうと、知らず知らずのうちに入居者の不満を蓄積させることになります。

③入居者同士のトラブルに対する処理がうまくいっていない

他の入居者に対する不満も、入居者がすぐに退去してしまう原因になります。

よくある近隣トラブルとしては、ごみの処理の仕方が悪いといったものや、夜中に隣の人が騒いでいるといったものまでさまざまです。

最近の傾向としては、とくにアパートの騒音問題が表沙汰になることが多く、隣室や上階下階の音に対して敏感になっている入居者が増えています。

入居者同士でトラブルが発生し、事後処理にも失敗すると、耐えられなくなった入居者が退去してしまいます。

④地域の相場より賃料が高く設定されている

入居者は自分のアパートの賃料だけでなく、その周辺地域のアパートの賃料も見ています。

今は相場よりも高い家賃で満室になっていたとしても、周辺にもっと家賃の安いアパートができた場合、賃料の割高感が生じてしまい、一気に空室が生まれることにもなりかねません。

近年はインターネット検索で部屋探しをする人も多く、間取りや生活環境、駅からの距離などを踏まえた家賃相場に通じた入居者も増えています。

安易に家賃を下げるとアパートの収益性の低下につながりますが、賃料の割高感によって空室が生じるリスクも無視できません。

入居者に長く住んでもらうための具体的な7つのコツ

ここまでは、入居者がすぐに退去してしまう原因を解説しました。

こうした入居者の不満を踏まえつつ、具体的な対策を練ることが大切です。そこで、「入居者に長く住んでもらう」ためのコツを7点ご紹介します。

アパートへ入居する特典を用意するだけでなく、入居者が不満を持ちにくくする未然防止や、トラブルが起こった際の事後処理も重要です。

入居者に長く住んでもらうことで、空室リスクや家賃下落リスクを回避し、アパートの収益性を維持できます。

①他にはないコンセプトや条件を付けて競合物件との差別化を図る

①他にはないコンセプトや条件を付けて競合物件との差別化を図る他にはないコンセプトや条件を付けて競合物件との差別化を図る

入居者に長く住んでもらうには、周辺の競合物件にはないアイディアを取り入れ、他との差別化を図るのもひとつの手段です。

初期費用の面では、ゼロゼロ物件と呼ばれる「敷金0円・礼金0円」の物件は負担軽減になるため、入居者に好まれています。

また、鍵の紛失や給湯器の故障など、日常的なトラブルへ迅速に対応する「24時間サポート」も、入居者の管理面への不満を和らげる施策です。

入居者ニーズを差別化するという意味では、女性専用物件やペット共生物件も一考に値します。女性専用のアパートは防犯カメラやオートロックのような設備投資が必要ですが、女性の入居希望者のニーズを掴めます。

また、ペット共生物件ではペットと快適に暮らせる設備を整えることで、単にペットの飼育が可能な「ペット可物件」よりもアピール効果があります。

ペット共生物件にはペットを通じて良好なコミュニケーションが生まれやすいというメリットもあるため、近隣トラブルの抑制にもつながります。

②入居時の審査をしっかりと行う

空室があると家賃収入が途絶えるため、なるべく早く入居者と契約したくなるものです。

しかし、近隣トラブルを起こしたり、家賃を長期に渡って延滞したりする入居者と不用意に契約してしまうと、結果としてより大きな損害が生まれてしまいます。

そのためには入居審査を甘くしないことが大切です。

賃貸管理会社に管理委託している場合でも、入居申込書を確認し、当該アパートを選んだ理由や引っ越した理由を入居希望者にヒヤリングしましょう。

短期的に引っ越す傾向があるか、近隣トラブルを起こしそうかなど、総合的に判断できます。

③短期解約違約金特約を設定する

入居者の自己都合により、短期間で賃貸契約が解除された場合、あらかじめ定めた違約金を受け取ることができるのが短期解約違約金特約です。

短期解約違約金特約を入居者と結ぶことにより、繁忙期の3月に入居してすぐ閑散期の5月に退去させないことや、新築で入居した人を解約させないことにつながります。

また、新しい入居者を探す際は、広告宣伝費や原状回復費用が必要になりますが、もし退去された場合は短期解約違約金によって充当することができます。

違約金が発生する期間については、賃借人とあらかじめ合意している場合は自由に設定できますが、1ヶ月から1年ほどに定めるケースが多いです。

短期解約違約金の約定額の目安は、賃料の0.5ヶ月分から1ヶ月ほどです。ただし、あまりにも約定額が高額だと、消費者契約法によって無効とされる場合があります。

④長期入居者に対しての特約・優遇を明確にしておく

④長期入居者に対しての特約・優遇を明確にしておく長期入居者に対しての特約・優遇を明確にしておく

短期間での退去にペナルティをつけるのと同時に、長期入居者に特典をつけるのも効果的です。

具体的に何年住めば優遇が得られると設定することで、入居者のモチベーションにつながります。

たとえば、一定の期間以上入居することで、水回りの掃除や設備更新を無料で行うのは定番のサービスのひとつです。このサービスは入居者の優遇だけでなく、建物のメンテナンスの面でも推奨されています。

また、旅行券や商品券をプレゼントしたり、家賃の何パーセントかをポイント還元したりするのも入居者のモチベーションを上げられるでしょう。

⑤常に建物内を綺麗に保ち定期的なメンテナンスを行う

入居者が不満を感じる主な原因は、建物や設備が不潔だったり、経年劣化したりしていることです。共用部やごみ置き場が汚いと人目につきやすく、アパートの管理面での信頼も損ねてしまいます。

また、水回りなどの設備面の不満を放置していると、入居者の生活環境が悪化するだけでなく、管理不行き届きが原因で事故が起こった場合は損害賠償にも発展します。

常にアパートの状況に目を光らせ、維持管理に気を配ることが大切です。

アパートの管理を賃貸管理会社に委託している場合でも、適切に清掃やメンテナンスがされているか確認しましょう。

⑥入居者トラブルは慎重に対応し速やかに解決を図る

騒音問題や駐車・駐輪、ごみ出し時のトラブルなど、入居者同士で問題が発生する場合があります。

入居者トラブルは放置していると退去につながるため、速やかに事後処理を行うべきです。

賃貸管理会社に委託している場合は対処してもらうのもよいでしょう。

しかし、とくに騒音問題などは退去に直結するケースが多く、オーナー自ら速やかに対処するのもひとつの手です。

まずは掲示板での告知や入居者全員への連絡を行い、トラブルの原因である入居者を特定できた場合は、直接改善を申し入れましょう。

それでもトラブルが解決しない場合は、民法上の「賃貸物件を使用収益させる義務」に従い、賃貸借契約を解除できます。

⑦入居者と日頃からコミュニケーションをとっておく

⑦入居者と日頃からコミュニケーションをとっておく入居者と日頃からコミュニケーションをとっておく

近隣トラブルなどを未然に防ぐためには、入居者と日頃からコミュニケーションをとっておくことも重要です。

オーナーとして入居者とフェイストゥフェイスの関係を築くことで、入居者との信頼関係を構築し、結果としてアパートに長く留まってもらえます。

また、入居者一人一人の話を聞くことで、クレームに発展する前に問題へ対処し、近隣トラブルの芽を事前に摘むことができます。

賃貸管理会社にアパートの管理を委託している場合、建物の共用部の清掃のみ自分で行うなどすれば、入居者と顔を合わせ、互いに挨拶しあう関係を構築できます。

まとめ

「入居者に長く住んでもらうこと」は、アパートの収益性のために重要です。入居者を募集する際には、広告宣伝費や原状回復費用のようなコストがかかります。

空室が生じるとインカムゲインとしての家賃収入が途絶えますし、さらに空室を埋めるために賃料を減額せざるをえなくなる場合もあります。

入居者の退去を防ぎ、アパートの収益性を損なわないためには、入居者が物件に不満を感じる原因を知ることが大切です。

入居者に長く住んでもらう7つのコツを実践することで、空室リスクや家賃下落リスクを回避できるでしょう。

ABOUT ME
フドシル専属監修者 東
フドシル専属監修者 東
株式会社TonTon 不動産管理課 マネージャー。 2017年、不動産管理事業の立ち上げから1年半で650戸を新規受託。 リーシング、入居者対応、トラブル対応、リフォーム、保険対応、キャッシュフロー見直しなどあらゆる業務をこなす。 自身も不動産オーナーとして日々奮闘中。 2018年、賃貸不動産経営管理士試験合格。
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