家賃を設定するときの5つの基準項目&入居してもらうための6つの工夫

家賃を設定するときの5つの基準項目&入居してもらうための6つの工夫

アパート経営やマンション経営を始める際、物件選びの次にオーナーの悩みの種となるのが家賃設定です。

利益を上げるためには家賃を高く設定したいところですが、そうすると入居者が寄りつかなくなり、空室問題に悩まされることになります。

だからと言って安く設定しすぎると赤字問題に直面することになり、経営が成り立たなくなるおそれがあるため、いかにバランス良く家賃設定するかが賃貸経営を成功させるポイントとなります。

そこで今回は賃貸経営で家賃設定する際に基準となる項目や具体例、気を付けるべきポイントを紹介。あわせて理想の家賃設定で入居してもらうための工夫についてもまとめてみました。

アパート・マンション経営で家賃設定する際の5つの基準項目&具体例

アパート・マンション経営で家賃設定する際の5つの基準項目&具体例アパート・マンション経営で家賃設定する際の5つの基準項目&具体例

賃貸経営で家賃設定する際、基準となる項目は大きく分けて5つあります。

所有している物件の情報と照らし合わせてみて、どのくらいの家賃に設定するのが適切なのかしっかり見極めましょう。

賃料が上がる境目をチェック!間取り・面積

家賃は間取りの多さと面積の広さに比例して高くなっていきます。

より具体的に言うと、1R・1K<1DK・1LDK<2DK・2LDK<3DK~の境目で段階的にアップしていくのが一般的です。

特に一人暮らしの方は「とりあえず安ければいい」と家賃を重視することが多いので、よほど立地が良くない限り、家賃を高めに設定すると入居率が下がってしまうおそれがあります。

最も重視される項目!立地・周辺環境

家賃設定で最も重視したいのが物件の立地や周辺環境です。

特に駅から徒歩10分圏内にある駅チカ物件は人気が高く、他の項目が多少見劣りしても高い入居率を見込めます。

また、ファミリー世帯の場合は近場にスーパーや幼稚園、学校がある物件への需要が高い傾向にあります。こうした条件がそろった物件なら駅チカ物件でなくても、家賃を高く設定しやすいでしょう。

ただ、幼稚園や学校が近いエリアは騒音などが起こりやすい場所でもあります。静かに生活したい人や、自宅周辺および愛車をきれいにしておきたい人は難色を示すこともあるので注意しましょう。

バス・トイレ別やエアコンは必須!設備の充実さ

同じ面積・間取りの部屋であれば、部屋の設備が充実している方がより入居率は高くなります。

たとえば一人暮らしならモニター付きインターホンやオートロックなどセキュリティがしっかりした物件に人気が集まりますし、ファミリー世帯なら収納が豊富な物件やバルコニー付き物件を選択する人が多いでしょう。

また、近年は一家に一台パソコン&一人に一台スマホの時代なので、インターネット利用料無料などの設備が整った物件は重宝されます。

逆に最近ではもはや常識となっているエアコン付きやバス・トイレ別といった条件を満たさない物件は、家賃を格安に設定しないとなかなか借り手がつきにくい傾向にあります。

建築コストが決め手になる建物構造

賃貸物件の構造は木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造(RC造)の3つにわかれます。このうち、最もコストが安い木造の建物は物件購入費を抑えられるため、家賃も比較的安めに設定するのが一般的です。

一方で、木材は燃えやすいことから、火災保険料は割高になるということも念頭に置いておきましょう。

鉄骨造やRC造は耐久性が高く、安心して暮らせるところが特徴ですが、そのぶん建築コストが高いので、やや高めに家賃設定しないとローン返済が厳しくなるおそれがあります。

鉄骨造の中でも軽量鉄骨と呼ばれる建材なら重量鉄骨よりややコストを抑えられますが、開口部や間取りの自由度が低くなるので要注意です。

新しいほど人気は高いが優先順位は立地が上!物件の築年数

物件の築年数は新しいほど外観・内装共にきれいなので借り手がつきやすくなります。ただし、入居者のほとんどは築年数より立地条件を重視するため、ただ新しいというだけで入居者が増えるとは限りません。

逆にある程度築年数が経過している物件であっても、駅から徒歩5分圏内にあれば、徒歩20分圏内の新築物件より家賃の相場は高くなります。

そのため、築年数で家賃を決める時は立地条件とセットで考えるのが基本中の基本です。

アパート経営の具体的な家賃設定例!木造ならやや低めに設定する

木造アパートの場合、鉄骨造やRC造に比べて耐火性・耐久性がやや劣る上、建築コストが少なめであることを考慮すると、家賃はやや低めに設定するのがセオリーです。

ここでは2つの例を挙げて、木造アパートの具体的な家賃設定方法をチェックしてみましょう。

なお、家賃設定は地域によって差がありますが、ここでは東京都の中でも特に人気の高い目黒区に物件を所有していることを想定しています。

物件A

間取り 1R
立地 駅から徒歩5分
設備 バス・トイレ別
構造 木造
築年数 築5年
家賃設定例 80,000円

物件B

間取り 1LDK
立地 駅から徒歩10分
設備 バス・トイレ別、インターネット無料、オートロック
構造 木造
築年数 築3年
家賃設定例 120,000円

物件Aは間取りが狭く、築年数5年、かつ設備も必要最小限であるものの、駅から徒歩5分という好立地にあるため、家賃設定は通常のワンルームよりやや高めの80,000円に設定しています。

一方、物件Bの家賃設定は10万円を超えていますし、駅から徒歩10分とやや離れたところにあるものの、インターネット無料、築3年という好条件が重なっているため、借り手はつくと考えられます。

マンション経営の具体的な家賃設定例!鉄骨造はやや高めに設定する

次に、同じ条件で鉄骨造マンションの家賃設定例を見て行きましょう。

物件A

間取り 1R
立地 駅から徒歩5分
設備 バス・トイレ別
構造 鉄骨造
築年数 新築
家賃設定例 110,000円

物件B

間取り 1LDK
立地 駅から徒歩10分
設備 バス・トイレ別、インターネット無料、オートロック
構造 鉄骨造
築年数 新築
家賃設定例 140,000円

物件A、Bともに新築ですが、物件Bの方が間取りの多さや設備の充実さのぶんだけ家賃が高めに設定されています。

また、鉄骨造であるぶん、ほぼ同じ条件でも木造アパートより3万円以上高い家賃設定を行っています。

駅からの所要時間や間取りが変わらないなら安い方が…と考える入居者もいますが、地震の発生率が高い日本では耐久性・耐火性の高い鉄骨造マンションを選ぶ人が多いため、多少家賃が高くても大きなネックにはならないでしょう。

将来的なビジョンで異なる!賃貸経営の家賃設定で気を付けたいポイント

家賃設定は先に説明した5つの基準項目を踏まえつつ、さらに「今後物件をどうしていきたいか」をもとに算出することになります。

すぐに入居者を募りたい場合は契約時の金銭的負担を軽減させる

すぐに入居者を募りたい場合は契約時の金銭的負担を軽減させるすぐに入居者を募りたい場合は契約時の金銭的負担を軽減させる

今すぐ入居者を募りたい場合は、契約時の金銭的負担を軽減する施策を取り入れる方法があります。

具体的には、敷金礼金を安く設定する、一定期間の家賃を無料にするフリーレントを採用するなどが挙げられます。

借主が契約しやすい環境を整えておけば、まとまった資金が手元にない方でも安心して入居に踏み切ることができるでしょう。

将来的に売却したい場合は適宜メンテナンスして価値をキープする

将来的に物件の売却を考えている場合は、あせって空室を埋めるよりも、不動産の価値をキープすることに重点を置くのがポイント。

空室対策重視であれば、建物の老朽化とともに家賃を下げるのもひとつの手段となりますが、物件を売却するのなら必要に応じてメンテナンスやリフォームを行ってでも資産価値を維持することが大切です。

高い家賃収入を確保できる物件と判断されれば、将来物件を売却した際に買い手がつきやすくなります。安易な家賃の値下げはNGです!

理想の家賃設定で入居してもらうためのプラスαの工夫5選

物件の状態や条件を考慮した上で家賃設定しても、肝心の借主が納得してくれなければ入居してもらうことはできません。

特に周辺に似たような賃貸アパートや賃貸マンションが多いエリアでは、プラスαの工夫を取り入れて借主にアピールする努力が必要不可欠となります。

では具体的にどんな工夫をすれば良いのでしょうか?代表的な例を5つピックアップしてみました。

一定期間家賃の優遇措置「フリーレント」を設ける

フリーレントとは、入居から一定期間、家賃を無料にするサービスのことです。

家賃を値下げした場合、すでに入居している方から不満の声が出るおそれがありますし、一度下げたものを再び上げるのは容易ではないため、将来的に賃貸不動産としての価値が下がってしまうことになりかねません。

その点、フリーレントは一定期間のみの優遇措置なので不公平感は少なく、家賃ダウンによる資産価値の低下も防ぐことができます。

借主にとっては入居当初のコストを大幅に節約できるので、優先的に選んでもらえる可能性が高まります。

敷金・礼金なしのゼロゼロ物件にする

敷金・礼金なしのゼロゼロ物件にする敷金・礼金なしのゼロゼロ物件にする

ゼロゼロ物件とは、通常なら賃貸契約時に支払う敷金と礼金をゼロに設定している物件のことです。

敷金・礼金はともに家賃1ヶ月分が目安となっているため、ゼロゼロ物件の場合、およそ家賃2ヶ月分を浮かせることができます。

ただ、フリーレント・ゼロゼロ物件ともに、悪質な家賃滞納者に狙われやすいというデメリットがあります。

そのため、フリーレントやゼロゼロ物件を採用する場合は、借主の審査は念入りに行うよう心掛けましょう。

大半のオーナーは不動産仲介業者に物件の紹介を委託し、借主を募ってもらっています。

無事契約に至った場合、借主は不動産仲介業者に仲介手数料を支払いますが、実はそれとは別に、オーナーからもADと呼ばれる広告料が支払われる場合があります。

仲介手数料は家賃の1ヶ月分を上限とすることが法律によって決められていますが、ADはあくまで広告料なので特に制限は設けられておらず、不動産仲介業者によって設定が異なります。

そのため、不動産仲介業者ではADの高い物件から率先して紹介する傾向にあります。立地や設備などでやや不利な物件であれば、ADを増額し、優先的に紹介してもらうのも有効な手段のひとつです。

ターゲットを絞った家具・家電付き物件にする

ほとんどの借主は物件の内覧を行いますが、がらんとした状態の部屋はどこも似たり寄ったりなので、いまいち訴求力に欠けます。

そこで近年注目されているのが、あらかじめ家具や家電をセットにした賃貸物件の提供です。

たとえば冷蔵庫や洗濯機、カーテン、ラグなどがセットされていれば、その部屋で生活している自分の姿をイメージしやすくなり、興味・関心が高まります。

また、新生活のための準備は入居者にとって少なからず負担になるため、家具・家電付きの物件はそれだけで大きな魅力となるでしょう。

なお、セットする家電や家具はターゲットに合わせた物をチョイスするのがおすすめです。男性がターゲットならブラックやホワイトなどモノトーン調で統一する。

女性向けなら赤やピンクなど華やかな色合いの物を選ぶなど、ちょっとした工夫を採り入れると借主に対するアピール力がさらにアップします。

入居者に人気のある設備を導入する

エントランスのオートロック入居者に人気のある設備を導入する

家賃の安さは入居者が最も重視する項目のひとつですが、物件の設備によっては周辺の相場より割高でも高い入居率を期待することができます。

実際、インターネット無料環境やエントランスのオートロック、モニター付きインターホンなど、暮らしの安全や便利をサポートする設備を導入している物件は、周辺相場より家賃が高くても入居が決まりやすい傾向にあります。

新たな設備の導入にはそれなりのコストがかかるため万人におすすめできる方法ではありませんが、設備が充実した物件は資産価値が下がりにくいので、将来的に物件の売却を検討している方は人気の設備に投資した方が長い目で見るとお得になります。

物件をリフォームする

立地条件の良い物件は多少古くても需要がありますが、そうでない物件は築年数が進むごとに借り手がつきにくくなります。

そんな時は物件をリフォームしてイメージを一新してしまうのもひとつの方法です。

たとえば外壁を塗装したり、和室を洋室にチェンジしたり、収納を増やしたりと、借り手にとって魅力的なデザインに変えれば家賃を下げなくても入居率アップが見込めるようになります。

もちろんリフォームにはそれなりの費用がかかりますが、空室が続けば赤字経営になってしまいますし、売却するにしても魅力に乏しい物件では買い手がつかないおそれがあります。

空室が減ればリフォームにかかった費用も少しずつ回収できますので、選択肢のひとつとして検討してみても良いでしょう。

まとめ

バランスの良い家賃設定を行うことは、賃貸経営の要であり、成功を左右する鍵でもあります。

間取りや立地、築年数などを考慮して決めると、時には理想と現実に差が生まれることもありますが、フリーレントや設備の導入などさまざまな工夫を採り入れれば、理想に近い家賃で経営していくことができるでしょう。

ABOUT ME
フドシル専属監修者 東
フドシル専属監修者 東
株式会社TonTon 不動産管理課 マネージャー。 2017年、不動産管理事業の立ち上げから1年半で650戸を新規受託。 リーシング、入居者対応、トラブル対応、リフォーム、保険対応、キャッシュフロー見直しなどあらゆる業務をこなす。 自身も不動産オーナーとして日々奮闘中。 2018年、賃貸不動産経営管理士試験合格。
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