土地なしでも賃貸経営は可能!土地購入から不動産投資をするメリットと始め方

土地なしでも賃貸経営は可能!土地購入から不動産投資をするメリットと始め方

賃貸経営は自分の土地を持っていなくても、土地を購入してマンションやアパートを建てることで始められます。しかし、「土地購入や物件建築の進め方が分からない」「土地なしでは多額のお金がかかりそうで不安」という方も多いでしょう。

また、アパートが建てられない土地もあるため、土地を購入する際は不動産会社に対して「アパート建築用の土地を探していること」を伝えることが大切です。

そこで今回は、土地なしの方が賃貸経営を始めるためにはどうすれば良いのかを、メリット・デメリットを交えてご紹介します。不動産投資ローンの自己資金はどのくらい必要なのかについても解説しているため、賃貸経営を検討している方は必見です。

土地なしの状態から賃貸経営を始めるメリット・デメリット

賃貸経営は土地を持っていなければ始められない、もしくは土地を持っている方が税金対策のために賃貸経営として活用するものだと考える方も多いでしょう。
しかし賃貸経営はもちろん、不動産投資においても、「土地を持っていないからできない」ということはありません。
むしろ土地なしということは、土地を選ぶ段階から始められるということです。

ここからは、賃貸経営を土地選びから始める3つのメリットと2つのデメリットをご紹介します。

1-1.土地なしで賃貸経営を始めるメリット

土地なしで賃貸経営を始めるメリットの1つ目は、立地にこだわることができるということです。
立地条件は不動産における資産価値の7割ほどを占めています。
立地が悪ければ入居者を集めにくく、なかなか空室が埋まらないものの、立地の良い物件はすぐに入居者が埋まる傾向にあります。

では、立地条件の違いを5つのポイントに分けて見てみましょう。

立地条件のポイント良好な立地条件悪い立地条件
交通利便性
  • 複数路線を持つ駅や主要幹線道路が近い
  • 接道している道の幅が4m以上
  • 駅から遠い、近くても単線駅である
  • 接道している道路が狭隘道路のみ
施設へのアクセス
  • スーパー、コンビニ、銀行、病院などの施設が徒歩圏内にある
  • 商業施設や医療・金融機関から遠い
自然環境・街並み
  • 自然公園または都市公園が近くにある
  • 街全体の道路幅が広く、街並みが整っている
  • 緑のある公園が近くにない
  • 工場や発電所が近くにある
  • 街全体の道路幅が狭く、混み入っている
競合物件の存在
  • 近隣にマンションやアパートが少ない
  • 新築の賃貸物件が近くにない
  • 近隣に賃貸物件がある
  • 新築または建築中の賃貸物件が近くに存在する
安全性
  • 泥棒に狙われやすい角地ではない
  • 治安を悪化させる施設が近くにない
  • 道路幅や隣家との距離が近すぎず、火災の延焼を防ぎやすい
  • 地盤がしっかりしている
  • 高台または海抜が低すぎない地域である
  • 角地である
  • 歓楽街や暴力団事務所などの施設が近い
  • 道路幅が狭く、隣家との距離が近い
  • 埋立地など、緩い地盤である
  • 低地であり、水害時には浸水の可能性がある

良好な立地条件と完全に合致するのは難しいものの、なるべく良好な土地をいつまでも探せます。

そして2つ目のメリットは、建てたい物件にあわせて土地選びができるということです。賃貸物件では入居率を高めることが成功の秘訣であるため、集客力を見込める土地であるかは特に大切です。
自分がどのような物件を建てたいのか、入居者ターゲットをどのように設定するかにより、土地を選びましょう。

たとえばアパートやマンションは、大学や病院近くに建てることで学生・職員の入居者を見込むことができます。戸建て賃貸では家賃が少し安めだと入居者がつきやすいため、地価の安い狭小地や変形地が狙い目だと言えるでしょう。

そして3つ目のメリットは、土地の事前調査が入念にできるということです。
土地販売を請け負う不動産会社では地形図・面積・地勢といった各種情報を提供していますが、購入前には地盤調査・地域調査・競合調査をやっておきたいものです。
それぞれの調査内容は以下のようになっています。

地盤調査土地がある地盤の性質を調べる。複数ある調査方法の中でも、地下の土質まで調べられるボーリング調査が信頼性が高い。
地域調査地域の賃貸需要、想定される入居者のニーズを調べる。調査内容に基づいて建物の構造・規模・設備を決めることで、入居率を高めることができる。
競合調査近隣の賃貸物件について調査する。競合となる物件の数が分かり、差別化を図ることができるほか、経営のサンプルが取れる。

中でも地盤調査は、土地に建物ができたあとでは調査が難しくなってしまいます。
土地を持っていないということは固定資産税の心配がないため、すぐに資産運用しなくては、と焦る必要がありません。経営成功のために熟慮と下準備を重ねられるのは、大きな利点です。

1-2.土地なしで賃貸経営を始めるデメリット

土地なしである1つ目のデメリットは、時間と費用がかかる点です。
土地をいくつか見て回って比較し、好立地を見つけたらいくつかの建築業者に見積もりをとって、さらにマンション・アパート建築が終わるまで待たなければなりません。

また実際に賃貸経営を始めて、しっかり収益を得られるまでには、最低でも1年以上はかかってしまうでしょう。費用面でも土地購入代と建築代がかかるため、多額の資金が必要です。

もう1つのデメリットは、金融機関の融資条件をクリアしなければならない点です。
不動産投資ローンは借入が多額となるため、金融機関は申込者の属性に厳しい注意を向けています。以下は、ローン利用時に求められる属性の一例です。

年齢借入時の年齢が満20歳以上、最終返済時の年齢は満80歳未満
年収前年度の年収が400~700万円以上
勤務先上場企業や公務員など
勤続年数3年以上
健康状態所定の団体信用生命保険に加入

上記の属性以外にも、返済の滞りを防ぐために他社からの借入がないかを審査されます。マイカーローンや持ち家の住宅ローンを組んでいる場合は、審査が通りづらくなる点に注意してください。

【土地を所有していない人向け】賃貸経営の始め方

賃貸経営を始めるにあたり、土地をいきなり購入することは失敗のもととも言えます。
ここからは、土地を所有していない方が賃貸オーナーとなるための、必要なステップを分かりやすくご説明します。

2-1.不動産情報・賃貸経営の情報収集

土地を所有していない方が賃貸経営を始める際は、まず初めに不動産と賃貸経営について情報収集をしましょう。
アパート・マンション経営には、収益に関わるメリット・デメリットが存在します。知識がないまま始めるよりも、しっかりと勉強をしてからスタートを切った方が、成功の可能性は上がるはずです。

情報収集を行うのであれば、Web上の記事や専門書籍を活用しましょう。Web上の記事はポジティブな情報ばかり提供して、賃貸経営のリスク面を充分に伝えていない場合もあるため、注意してください。

また、不動産会社や不動産コンサルタントなど専門家が主催するセミナー・相談会への参加も、勉強の一環となるでしょう。書籍を読んでいて分からなかったことや実務上・税法上の不安点など、賃貸経営の疑問をプロに聞ける絶好の機会だと言えます。

2-2.希望する物件条件を決めて土地探し

情報収集が十分にできたら、大家としてどのような物件を経営したいのか、きちんと条件を定めましょう。以下の表は、物件条件の一例です。

物件の条件条件の候補
物件のタイプ一戸建て・アパート・マンション
予算3000万円以下・5000万円以下・1億円以下
階数平屋・2階・3階・多層階
部屋数1戸・50戸未満・100戸未満・100戸以上
立地条件駅から徒歩圏内・自然公園が近い・近隣に商業施設が多い

上記の他に、駐車場用の敷地面積なども考えておきましょう。駐車スペースを作らない場合、近隣にコインパーキングがなくては非常に不便な物件となってしまいます。

条件をある程度まで絞ったら、購入する土地を探します。
不動産業者を一社ずつ回るのは手間であるため、各社の物件情報をリスト化して一括表示できる不動産物件サイトを活用すると便利です。

土地の売買はほとんどが不動産業者を仲介して行われるため、土地探しは不動産業者の協力が欠かせません。不動産会社と一口に言っても、質の良し悪しがあります。
担当者の対応が丁寧か、見積書には以前の土地用途やエリアに居住している人口世帯数、近隣の家賃相場も書かれているかを確認してください。

特に初めて賃貸経営を行う人であれば、疑問にもしっかり答えてくれる不動産会社がおすすめです。土地の購入から建築までをサポートしてくれる業者を選ぶことで、以降の段取りもスムーズに進められるでしょう。

2-3.希望の土地調査を行う

物件条件に見合う土地が見つかったら、必ず土地調査を行いましょう。土地調査の要点は以下の4つです。

  • 生活に必要な施設までの徒歩所要時間
  • 希望の物件が建てられる土地か
  • 土地の安全性
  • 土地代以外に必要な追加費用

徒歩所要時間の確認もかねて、まずは自分で足を運び、その土地をきちんとチェックするようにしてください。問題がない場合は、土地購入から物件調査までサポートしてくれる不動産会社・工務店・ハウスメーカーに調査を依頼しましょう。

不動産の価値を決定するのは土地であるため、調査は念入りに行う必要があります。建物を建てて収益を上げられるか、後々に問題が発生しないかを確認することが大事です。

2-4.ローンの申し込み・審査

土地の調査まで終わった後は、資金準備のためにローンの申し込みを行います。不動産投資ローンに申し込む際は、事前審査・本審査と2回の審査が行われ、問題がなければ契約締結となり、融資が実行されます。
この2つの審査は、申込者本人の返済能力と担保である不動産を評価して、融資しても問題ないかを調べるためのものです。

事前審査、本審査では複数の書類提出が求められるため、書類を事前に準備しておきましょう。物件資料や登記事項証明書などは不動産業者が用意してくれるため、個人で揃えることが必要な書類をご紹介します。

事前審査本審査
  • 本人確認書類(免許証・パスポートなど)
  • 源泉徴収票
  • 印鑑
  • 買付証明書
  • 本人確認書類
    (免許証・パスポートなど)
  • 所得証明書
  • 印鑑登録証明書
  • 住民票
  • 健康保険証
  • 前年分の源泉徴収票
  • 3年分の確定申告書(自営業者のみ)
  • 勤務先の会社概要
  • 職務経歴書
  • 納税証明書
  • 資格等証明書
  • 賃貸借契約書
  • 返済予定表
    (他にローンを組んでいる場合)
  • 団体信用生命保険申込兼告知書

事前審査と比べて、本審査では用意の必要な書類がかなり増えています。この違いは、事前審査は申し込みのふるい分けであるのに対し、本審査はローン返済が滞りなく行われるかを精査しているためです。

ほとんどの金融機関は、賃貸経営の経験が少ない申込者に良い評価をつけようとはしません。しかし不動産の評価がよく、収益物件になると判断されれば、融資は下りやすくなります
立地を調べて利回りの高い経営ができるかを見る土地調査は、金融機関から融資を取り付けるための対策にもなるポイントです。

2-5.建築業者の選定・賃貸物件の建築開始

銀行からローン融資がおりたら、いよいよ建築を始める段階に入ります。ただし、不動産購入から建築までサポートしてくれる不動産会社に依頼していなかった場合は、ここで建築業者の選定が必要となります。

賃貸物件の設計を依頼する企業には主に、ハウスメーカー・工務店・設計事務所の3種類があります。以下の表はそれぞれの特徴です。

ハウスメーカー

規模大手・全国規模
設計の特徴
  • プランが用意されており、比較的安価に建てられる
  • 建材を工場で大量生産して組み立てるため、工期が短い
  • 設計の自由度が少ない
建築工事の可否施工可能

工務店

規模中小・地域密着型
設計の特徴
  • 設計の自由度が高く、こだわりの物件が建てられる
  • 土地の気候風土に対応して設計できる
  • 工期が長く、会社の経営状況に左右されることもある
建築工事の可否施工可能

設計事務所

規模おおよそ小規模
設計の特徴
  • 物件の図面を一から起こすため、オリジナル性を出せる
  • 変形地にも対応しやすい
  • 建築工事は別会社が行うため、工事費用が高くなる
建築工事の可否設計のみ

建築する物件の種類別に見るのであれば、高層マンションはハウスメーカー、アパートはハウスメーカーまたは工務店が向いています。さらに注文住宅やデザイナーズアパートを建てる際は、設計事務所に依頼することが多くなるでしょう。

建築業者を選ぶときには、担当者の質・業者の信頼性にも注意が必要です。見積もりをとった時に工期スケジュール・建築費用が具体的ではない、要望を出した点についての回答が得られない場合、その業者は信頼性が低いと判断できます。

また、建築業者の担当者とは施工中から施工後のアフターフォローまで付き合うことになります。長く付き合っていける相性の良い人物か、誠実な人柄であるかを確認してください。

土地なしで賃貸経営をする場合の自己資金の用意について

土地なしで賃貸経営を始める方が不安になる部分には、土地購入と建物建築のためにかかる初期費用のことが多いでしょう。
アパートローンなどの不動産投資ローンを活用すれば良いとしても、頭金をいくら用意するかによって融資の下りやすさは変わってしまいます。
用意しておきたい自己資金の目安はどのくらいか、資金ゼロの状態で融資を受ける「フルローン」でも問題ないのかを見ていきましょう。

3-1.ゼロ円からでも投資可能!ただし注意すべき点も…

不動産投資会社の中には、自己資金がまったくないゼロ円でもアパート投資・マンション投資を始められると謳う業者も存在します。
確かに、不動産投資ローンではフルローンでの融資もあるため、ゼロ円から賃貸経営を始めることは不可能ではありません。しかし、フルローンには高いリスクがつきまといます。

フルローンは、毎月のローン返済額に多額の利息分が加わります
経営成功の基本は収入を大きく、支出は小さくすることであるため、返済負担を大きくすることは望ましくありません。手元に資金を多く残せても、家賃収入と管理費・修繕費・返済額が相殺されて、ほとんど利益が出ないということもあります。

また、金利上昇により返済額が増えるといった事態にもなれば、返済が滞ってしまい、担保物件を回収される最悪のケースも招きかねません。安定した賃貸経営のためには、自己資金を用意しておくことが不可欠だと言えるでしょう。

3-2.自己資金は投資額の1~3割を用意する必要がある

今までの不動産投資では、物件価格における1割の自己資金を用意しておけば、金融機関からのローンは下りやすくなっていました。
しかし、サラリーマン大家のような個人投資家への融資は少しずつ厳しくなり、これからの時代は「自己資金1割では難しい」と言われています。

近年では投資額の3割が自己資金の目安額です。その理由として、以下の2つが考えられます。

まず1つ目は、昔の金融機関では不動産投資ローンの融資上限が「担保評価額の8割以下」とされていたためです。融資の引き締めが予想されている現在、融資上限が昔の基準にまで戻ることは十分考えられるでしょう。
融資上限が8割なら2割を用意すれば十分と思う方もいるかもしれません。しかし、申込者の返済能力が低く見積もられれば、希望額での融資は下りない可能性があります。
そのため、3割の自己資金を用意しておくことが安心だと言われています。

そして2つ目の理由は、物件の購入金額と金融機関の評価額には差があるためです。
新築物件の建築費・購入価格は新築プレミアムと呼ばれ、建築原価にデベロッパーの利益分が加わっています。この「デベロッパーの利益分」は、購入価格のおよそ2~3割です。

つまり、仮に土地取得費用と建築費の計2000万円で新築アパートを建てても、担保評価額では1400~1600万円にしかならない計算です。
この場合に自己資金を200万円しか用意していないなら、1800万円の融資を受ける必要があります。しかし、金融機関の担保評価額は1600万円以下であるため、それ以上の融資はなかなかしてくれないでしょう。

また、自己資金が1割では毎月のローン返済額が多くなり、収益性がよくありません。融資審査を通りやすくして後々の収益性を高めるためにも、自己資金は3割以上を用意しておくべきです。
土地なしで始める賃貸経営。もちろん、土地の立地や環境、さらに物件の特徴などによっても収益は左右されるでしょう。しかし安定した経営を行うためには、自己資金の事前準備などが非常に重要であることを忘れないでください。

まとめ

土地を持っていないということは、好立地を選んで賃貸経営ができる利点でもあります。

そして、土地を所有していない方が土地購入と建築をスムーズに運ぶためには、不動産会社のサポートを最大限に活かすことが大切です。立地調査をしっかり行い、収益性の高い土地で賃貸経営を始めれば失敗を少なくできるでしょう。

また、購入資金の不足分は、不動産投資ローンを活用して補うこととなります。融資条件と審査の流れを理解して、きちんと自己資金を用意していれば、融資は比較的下りやすいはずです。ここまでの内容を参考に、情報収集の段階から計画を立てて、土地探しから建築まで一歩ずつ進みましょう。

ABOUT ME
フドシル専属監修者 東
フドシル専属監修者 東
株式会社TonTon 不動産管理課 マネージャー。 2017年、不動産管理事業の立ち上げから1年半で650戸を新規受託。 リーシング、入居者対応、トラブル対応、リフォーム、保険対応、キャッシュフロー見直しなどあらゆる業務をこなす。 自身も不動産オーナーとして日々奮闘中。 2018年、賃貸不動産経営管理士試験合格。
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