【初めての方向け】賃貸経営の始め方|アパート・マンション経営必要な初期費用から物件の選び方まで

【初めての方向け】賃貸経営の始め方|アパート・マンション経営必要な初期費用から物件の選び方まで

将来のことを考えて、大きな家を買うより、不動産投資をして安定した収入を得たいと考える方も多いでしょう。しかし、賃貸経営が初めての方であれば、物件の選び方や必要なコストが分からないという場合も多々あるはずです。

賃貸経営は、適切な物件選びや資金計画を立てることにより、効率的な資産形成が可能です。どれだけ資金に余裕があっても、知識のないまま始めてしまうと、その分経営に失敗するリスクも高くなります。

そこで今回は、賃貸経営を始める人に役立つ知識を分かりやすく解説します。賃貸経営を始めようと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

初心者必見!賃貸経営の始め方・ステップ

不動産会社や土地活用の専門家に相談初心者必見!賃貸経営の始め方・ステップ

賃貸経営を始める際はまず事前準備として、土地や物件に関する情報収集が必要です。次のステップでは、不動産会社や土地活用の専門家に相談して、購入物件を決定します。

また、購入資金を確保するためには、金融機関の支援を受ける方法が一般的です。調達したお金と自己資金で不動産を取得し、賃貸経営を始めます。

ここからは、各ステップの内容をより詳しく説明します。

土地や物件のリサーチを行う

収益不動産の物件情報を扱うホームページや業界新聞、物件資料などを使い、情報収集を行います。土地選びでは、以下のような内容がポイントです。

利便性 駅から近い土地ほど、集客に有利です。最寄り駅からターミナル駅までのアクセスも確認しましょう。
周辺環境 商業施設や医療機関の充実度合いを調べます。
活用用途 日当り・地盤・建築条件から居住用物件に適した土地を選択します。
安全性 安心して生活できる治安のよい街が好まれます。

物件の条件を絞るためには、利用者層を決定します。主な利用者層については、以下を参考にしてください。

単身者向け賃貸住宅 ファミリー向け賃貸住宅
  • 大学生
  • 20代〜30代の会社員
  • 20代・30代の新婚夫婦
  • 20代〜40代の子育て世帯
  • 50代・60代以降の夫婦

想定した利用者の需要を予測し、間取りや設備を検討しましょう。

不動産会社と購入物件を決める

不動産会社に相談し、購入物件を決定します。「東京都下・ファミリーマンション」など具体的なイメージを伝え、絞り込みを行いましょう。

購入物件を決める際には、複数業者への相談がおすすめです。複数業者へ相談することにより、物件価格や収支シミュレーション数値の妥当性が把握できるでしょう。

不動産コンサルタントなど土地活用のプロに相談し、客観的なアドバイスを受ける方法もあります。

金融機関でローンを通す

賃貸経営で使用するローンは、住宅ローンと異なります。アパート投資や収益物件購入に活用できるアパートローンから、条件の良い商品を選択しましょう。

ローン審査を受けるにあたり、損益予定表と資金繰り表を作成します。これらの資料を作成することにより、アパート経営の手取り収入を予測できます。いわば、賃貸経営を「可視化」する資料です。

損益予定表 不動産所得の概算値を計算する資料。
「収入金額(家賃・礼金・共益費など)–必要経費(ローンの利息・固定資産税・管理費・広告宣伝費・修繕費の積立など)」によって計算できます。
資金繰り表 不動産所得から計算される所得税や借入資金返済を含めた資金繰りを示す資料。「(不動産所得–各種税金)–ローン返済額+減価償却費」によって計算できます。

作成した資料と金融機関所定の書類を提出し、ローン審査を受けましょう。

物件を契約する(新築の場合は建築)

審査通過の返事を待ち、不動産売買契約を締結します。土地と建物を購入する場合には、契約締結と同じタイミングで、所有権移転登記を行うことが一般的です。

登記とは、不動産登記法に基づき、土地や建物の所在や面積、所有者情報を記録することを言います。所有権移転登記は、以前の土地所有者から物件購入者に対して、所有権が移転したことを示すための手続きです。

新築の場合は、土地の所有権移転登記だけを先行して行います。建物の工事が終わり次第、行政機関の審査を受け、建物を登記しましょう。

建物の引き渡し

建物の引き渡しと同時に、検査済証や引渡証明書を受け取ります。検査済証とは、関係法規に沿って建築された建物であることを証明する書類です。

一般的には、引き渡しを受けたらすぐに賃貸経営を始めることができるように、入居者募集を行います。賃貸経営の実務を支援する不動産管理会社と契約し、計画的に準備しましょう。

賃貸経営を始める際に必要となる初期費用

賃貸経営を始める際に必要となる初期費用

賃貸経営の初期費用は、土地の購入費用・アパートやマンションの建築費用・諸費用に分類できます。

土地の購入費用

立地や広さに応じた土地購入費用が発生します。相場より明らかに安い土地は、計画しているアパートやマンションが建築できるかどうか等の条件の確認が必要です。

アパートやマンションの建築費用

賃貸経営の建築費は、以下の式で計算できます。

  • →坪単価×(敷地面積×建ぺい率×アパートやマンションの階数)

建ぺい率は、取得予定地の市区町村役場に確認が必要です。平均的な坪単価は以下の通りです。

  • 賃貸経営を木造構造で始める場合:40~60万円
  • 賃貸経営を鉄骨構造で始める場合:60~80万円
  • 賃貸経営を鉄筋コンクリート構造で始める場合:70~100万円程度

そのほか、給排水工事や屋外電気工事などの別途工事費・造園や駐車場設備など、付帯工事費が発生します。付帯工事費の目安は、賃貸経営物件の建築費に対して1〜2割程度です。

諸費用

土地の購入費用や建築費のほか、次のような諸費用が発生します。

  • 不動産取得税
  • 登録免許税
  • 印紙税
  • 司法書士報酬
  • 火災保険料
  • 建築確認申請等手数料
  • 融資手数料
  • 仲介手数料

諸費用の目安は、新築アパート・マンションであれば土地購入費用・建築費の合計のうち7~8%程度です。中古マンション・アパートであれば物件取得費の約1~2割と考えて、資金計画に反映します。

自己資金はどれくらいがベスト?

アパートやマンション経営の自己資金は、投資額の3割が目安と言われていますが、安定的な経営を目指すのであれば、3割以上は用意しておきましょう

近年では、アパート経営者に対する某銀行の過剰融資問題を受けて、金融機関の融資姿勢は厳しさを増しています。物件購入価格や建築費のすべてを借入するフルローン・オーバーローンによるマンション・アパート経営は無謀だと言っても過言ではありません。

「アパート経営は300万円からでも挑戦可能」「マンション・アパート経営で月収上乗せ」といった表面的な知識に惑わされることなく、十分な自己資金を用意しましょう。

【メリット・デメリットで解説】物件を選ぶ際の比較ポイント

サラリーマン大家として賃貸経営を始めるためには、投資物件を取得します。

この際、「一棟マンションを選択するか、区分アパートを選択するか」「都心部と田舎はどちらが良いか」といった選択が重要です。選択する投資手法により、賃貸経営の家賃収入や準備期間、必要資金が異なります。

ここからは、各投資手法の特徴とメリット・デメリットを比較形式で分かりやすくご紹介します。

一棟or区分

一棟マンション・アパートと区分所有物件には、次のような違いがあります。

一棟マンション・アパート 区分マンション・アパート
メリット
  • 期待利回りが高く、投資資金の早期回収が可能
  • 空室リスクを分散できる
  • 限られた自己資金でも挑戦しやすく、投資計画を立てやすい
  • 準備期間を短縮できる
デメリット
  • 多額の初期投資が必要
  • 修繕や維持管理費用が高い
  • 事前準備に時間を要する
  • 期待利回りが低く、投資資金回収に時間がかかる
  • 空室リスクを分散できない

※期待利回り=不動産取得にかかった額(投資額)に対して期待される収益の割合

それぞれにメリット・デメリットや特徴があるため、立地によりどちらが向いているかをきちんと判断しなければなりません。

都心部or地方(田舎)

都心部or地方(田舎)都心部or地方(田舎)

一般的には「都心部有利」ととられやすい賃貸経営ですが、地方特有のメリットも存在します。

都心部 地方(田舎)
メリット
  • 賃貸需要が高く、空室リスクを軽減できる
  • 新築時の家賃水準を維持しやすい
  • 地価が安いため、初期コストを節約できる
  • 賃貸需要が見込まれるエリアでも、比較的競合物件が少ない
デメリット
  • 初期コストがかさむ
  • 立地によっては競争が激しく、周辺物件との差別化が必要
  • 競合物件が増えた際に空室リスクが高くなる
  • 地価下落が顕著な土地では、出口戦略を立てにくい

上の表のとおり、地方の土地は都心部よりも価格が低いケースが多くなっています。

場合によっては、都心部で価格の高い物件を購入するより、地方の土地を購入し、余裕を持った経営を行う方が現実的とも考えられます。

新築物件or中古物件

新築物件or中古物件新築物件or中古物件

新築・中古の選択は、金融機関からの融資を左右する重要な要素です。築年数により、修繕費や維持管理費用の水準も異なります。

新築物件 中古物件
メリット
  • 融資審査を通過しやすい
  • 修繕費や維持管理費用が安い
  • 入居希望者からの需要が高い
  • 新築物件よりも初期費用が安い
  • 高利回り物件を取得し、効率的な投資も可能
デメリット
  • 土地の取得や建築費にまとまった投資を要する
  • アパートやマンションの建築に1年以上要する
  • 築古物件は金融機関からの融資を受けにくい
  • 多額の修繕費や維持管理費用が発生する

なお、新築物件であっても、金融機関の評価を受けにくい物件は存在します。「60坪の賃貸経営」など、一般的には「集客に不利」と考えられる条件の不動産が一例です。

ファミリー向け物件or単身者物件

賃貸経営では、部屋を貸す相手の選択も重要です。ターゲット層をファミリー層に絞った場合・単身者に絞った場合では、次のような違いが生じます。

ファミリー向け物件 単身者物件
メリット
  • 入居期間が長く、安定的な運用が可能
  • 教育機関や商業施設が周辺にあれば、郊外の土地も活用できる
  • 入居者のマナーがよく、管理の負担を軽減できる
  • 1戸あたりの面積が狭く、総戸数を増やすことによって、空室リスクを分散できる
  • 立地のよい物件なら、入居者募集を行いやすい
  • 一般的にはファミリー物件より単価が高く、効率的な運用が可能
デメリット
  • 1戸あたりの面積が広い分だけ、原状回復費用がかさむ
  • 退去者が出た際には、空室期間が長期化しやすい
  • 平均入居期間が2~4年程度と短い
  • 入学や卒業シーズンに入退去が集中する
  • 交通アクセスや駅までの徒歩分数に賃貸需要が左右される

物件によって、間取りや面積、さらに入居者ニーズも異なるため、それぞれに適した対策を練る必要があります。

賃貸経営を成功させるためには?

賃貸経営を成功させるためには?賃貸経営を成功させるためには?

賃貸経営を成功させるためには、資金の用意や物件の選定などの準備ももちろん大切です。しかし、いくら資金に余裕を持っていたり、最適な物件を選んだとしても、これらの準備がすべての成功に繋がるだけではありません。

最後に、賃貸経営を成功させるために特に大切な4つのポイントを、詳しくご紹介します。

出口戦略を考えておく

賃貸経営できちんと収入を得たいのであれば、出口戦略を考えておくことは必須です。

出口戦略とは、購入した土地や建物をいつ・どのように売却するかという計画で、「インカムゲイン」と「キャピタルゲイン」が大きく関係します。

インカムゲインは賃貸物件を所有することで得られる収益のことで、キャピタルゲインは土地や建物の売却利益のことを言います。

出口戦略では、インカムゲインとキャピタルゲインの合計がプラスとなる状態で投資を完結させることが重要です。

そのため、物件の価値が下がってしまうと、その分売却値が下がり、出口戦略が失敗に終わる可能性もあります。

家賃を下げる・定期的なメンテナンスを怠るなど、物件の価値が下がってしまう要因は数多く存在します。物件の価値が下がってしまわないよう、常に気を付けなければなりません

初期費用をすぐに回収しようとしない

初期費用をすぐに回収しようとしない初期費用をすぐに回収しようとしない

賃貸経営には、莫大な初期投資が伴います。早期回収を目指すあまりに初期投資を抑えたり家賃を上げたりしては、安定的な運用ができません。

初期投資を回収するためには、まとまった期間が必要です。回収期間を急ぐほど、期待利回りの高い物件を購入しなければならず、賃貸経営に伴うリスクも上がります。

アパート・マンションに限ったことではなく、テナントビル等の賃貸経営を始める場合も同様です。

適切な回収期間を想定し、長期投資前提の物件選びを行いましょう。

信頼できるパートナー(管理会社・仲介会社)を選ぶ

サラリーマン大家として成功するためには、管理会社や仲介会社の選び方が大切です。パートナーが、賃貸経営の収支を大きく変える要因となることもあります。

管理会社・仲介会社を選ぶ際には、次の点に注目しましょう。

  • 地域の不動産事情や家賃相場を熟知している
  • 入居者募集や物件管理、トラブル対応の専門的なノウハウがある
  • 大家の立場に立ち、資産運用を支援できる
  • 入居者募集を行う際に訴求力の高い写真や文書でアピールできる
  • 会社や事業所の雰囲気がよく、相談しやすい
  • 不動産市場全体の動向やニュースを熟知している

管理会社や仲介会社は「老舗企業や大手不動産会社であれば安心」とは言い切れません。不動産オーナーの右腕となり、手厚い支援を期待できる会社と契約しましょう。

常に空室対策を行う

賃貸経営に伴う最大のリスクは空室です。空室期間が長引くほど年間家賃収入は低下し、ローン返済額の確保が困難となる場合があります。

空室保証や家賃保証契約を結ぶだけでは、根本的な解決となりません。契約更新に合わせて家賃を見直し、利回りが低下するリスクが伴うためです。

では、空室率を下げるためにはどのような対策を行えば良いのでしょうか。

空室対策として特に選ばれている方法は、「新しい設備の導入」です。

ただ単純に設備を導入するだけではなく、投資エリアのアパート・マンション入居者から需要のある設備を導入し、物件価値を維持することが大切です。

特に、以下の設備は入居者ニーズが高いものとして人気があります。

  • TVモニタ付インターホン
  • 無料インターネット
  • オートロック
  • 独立洗面台
  • 温水洗浄機能付き便座
  • ホームセキュリティ

居住者層や時代により、導入を検討するべき設備は異なります。管理会社や不動産会社から定期的な情報収集を行い、事業計画に役立てましょう。

まとめ

ここまで、賃貸経営の流れや物件選びのポイント、さらに成功ノウハウをご紹介しました。マンション・アパート経営の魅力は、適切な物件選びと運用管理を行うことにより、安定した家賃収入を期待できる点にあります。

とは言え、知識を持っていない素人が経営を続けていても、安定的に収入を得られるわけではありません。賃貸経営を成功させるためのポイントの把握はもちろん、いつでもリスクを回避できるだけの知識は最低限必要だと言えるでしょう。

初めて賃貸経営を行う方でも安定的に収入を得られるよう、ここまでご紹介した内容を参考に、ぜひ賃貸経営に役立ててください。

ABOUT ME
フドシル専属監修者 東
フドシル専属監修者 東
株式会社TonTon 不動産管理課 マネージャー。 2017年、不動産管理事業の立ち上げから1年半で650戸を新規受託。 リーシング、入居者対応、トラブル対応、リフォーム、保険対応、キャッシュフロー見直しなどあらゆる業務をこなす。 自身も不動産オーナーとして日々奮闘中。 2018年、賃貸不動産経営管理士試験合格。
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