【土地活用】市街化調整区域とは?有効な活用方法6選と相談先も紹介

【土地活用】市街化調整区域とは?有効な活用方法6選と相談先も紹介

「田舎の土地を所有しているけど、なかなか活用方法が見つからない」とお悩みの方も少なからずいるでしょう。ただ、田舎の土地を活用する際は、その地域の条例や法律をしっかりと把握しておく必要があります。

特に田舎の土地を活用する場合は、「市街化調整区域」であるかどうかを確認しなければなりません。とは言え、市街化調整区域が何なのかを詳しく理解している方は少ないでしょう。

そこで今回は、市街化調整区域に関する知識から、市街化調整区域にある土地の利用規制・有効活用方法について詳しく解説します。田舎にある土地や、市街化調整区域の土地を所有している方は、ぜひ参考にしてください。

市街化調整区域とは?

市街化調整区域とは、都市計画法に基づく街づくりの方針として「市街化を抑制する」と定めているエリアのことです。

原則として用途地域が指定されることはなく、積極的なインフラ整備も行われない傾向にあります

一方で、「積極的に市街化する」と定められたエリアのことを「市街化区域」と呼びます。都市計画区域内の土地は、この2つに「非線引都市計画区域」を含めた3区分のいずれかに該当します。

市街化調整区域市街化調整区域とは?

自身が所有している土地の地域区分を調べるためには、市町村の都市計画課に問い合わせを行い、地域区分を聞いてみましょう。

市街化調整区域に土地があった場合、開発許可制度に違反しない土地活用の方法を考えなければなりません。

市街化調整区域で規制を受ける対象は「原則としてすべての開発行為」とされています。

「開発行為」とは、建物等を建築するために行う土地の区画形質の変更のことを指します。

この法律において「開発行為」とは、主として建築物の建築又は特定工作物の建設の用に供する目的で行なう土地の区画形質の変更をいう。

(引用:電子政府の総合窓口e-Gov/都市計画法第4条12号
http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=343AC0000000100&openerCode=1#13

市街化調整区域の土地で開発行為を行うと、法律に違反することとなり、工事停止・建築物の除去命令を受ける可能性があります。

自身の土地に適した、正しい土地活用の方法を検討しましょう。

市街化調整区域の土地を活用する2つの方法について

市街化調整区域の土地を活用するためには、2つの方法が考えられます。

①建物がいらない土地活用を検討する

建物を建築する必要のない方法であれば、市街化調整区域でも土地を有効に活用することができます。

②開発許可をもらって建物を建てる

都市計画法では、事前協議と届出もしくは開発許可を受けることで、建築できる建物の種類を定めているため、しかるべき手続きを行うことで土地活用が可能となります。

どんな建物でも交渉の余地があるわけではなく、周辺住民の生活に必要なもの・地域の産業に貢献するものなどに制限されます。

いずれの選択肢にも共通する注意点が1つあります。

土地が現況または登記されている地目が「農地」にあたるときには、農地法に沿った転用許可が必要とされることです。

市街化区域の土地なら、農業委員会への届出だけで転用できます。

市街化調整区域は農業を推進すべきエリアに該当するケースも多いことから、より厳密な手続きが必要です。

農地法/第4条

転用許可対象 所有権の移転を伴わない農地転用
申請者 所有者
申請先 都道府県知事もしくは指定市町村長
許可不要の例外
  • 国や都道府県、指定市町村による農地転用の場合は許可が不要。
  • 学校や社会福祉施設、病院、庁舎もしくは宿舎に転用する場合は協議をもって転用許可を受けたものとする。
  • 指定市町村以外の市町村が土地収用法対象事業のために行う転用は許可不要。

農地法/第5条

転用許可対象 農地転用後に売却もしくは貸し出すこと
申請者 所有者と買い手もしくは借り手が連署で申請。
申請先 都道府県知事もしくは指定市町村長
許可不要の例外
  • 国や都道府県、指定市町村による農地転用の場合は許可が不要。
  • 学校や社会福祉施設、病院、庁舎もしくは宿舎に転用する場合は協議をもって転用許可を受けたものとする。
  • 指定市町村以外の市町村が土地収用法対象事業のために行う転用は許可不要。

農地法に基づく農地は、全国農業会議所が運営・管理を行っている「全国農地ナビ」に掲載されます。所有している土地が農地にあたる可能性のある方は、事前に調べておきましょう。

市街化調整区域に適した有効な土地活用6選

市街化調整区域の土地は、「全く活用できない」というわけではありません

土地活用でも最もポピュラーである賃貸経営は行えずとも、その他さまざまな方法で「お金を生み出す土地」に変えることが可能です。

しかし、選択する土地の活用方法に応じて、必要とされる投資額や期待利回り、税負担は異なります。

方法ごとのメリットやデメリットも正しく理解した上で、所有している土地に適した活用方法を検討しましょう。

ここからは、市街化調整区域に適した土地活用方法の具体例と、効率的に運用するためのポイントをご紹介します。

①駐車場

駐車場市街化調整区域に適した有効な土地活用6選-駐車場

平面駐車場を作り、利用者に時間貸しもしくは月貸しして収益を確保する活用法です。田舎では、都市部に見られるような立体駐車場ではなく、青空駐車場用地として経営することが基本です。

運用形態としては主に、月極駐車場・コインパーキングの2パターンが検討されます。駐車場のない民家・アパートが多いエリアであれば月極駐車場、空港や駅の近くなど一定時間のみ利用の需要が高いエリアであればコインパーキングというように、ニーズを踏まえた事業計画が必要です。

メリット 土地を整備するだけで開業でき、賃貸住宅経営のように高額な初期投資が要りません。
他の用途への転用も行いやすく、一時的な土地活用手段としても検討できます。
月極駐車場として長期契約を結べば、安定的な収益を得ることも可能です。
デメリット 駐車場需要の見込まれないエリアで経営を始めた場合、期待通りの収益を得られません。
建物を建てずに行う土地活用では、固定資産税の減税効果もありません。
駐車場の維持コストや管理費によって出費が増えた分だけ収支が悪化し、赤字となるリスクがあります。

 

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②資材置き場

資材置き場市街化調整区域に適した有効な土地活用6選-資材置き場

木材や鉄鋼の置き場所として、土地を活用する方法です。資材置き場に困っている業者に土地を貸し出す形となるため、基本的に土地の所有者が運営・管理を行うことはほぼありません。

メリット 法人相手のビジネスとなることから、長期的な収益を確保しやすい傾向があります。業者に貸し出すため、高額なランニングコストもかかりません。
駅から遠い・周辺に商業施設や住宅が少ないといった賃貸経営に不向きと考えられる土地でも、収益化が可能です。
デメリット 他の活用手段と比較すると賃料が低く、大きな収益を得られる方法ではありません。

③太陽光

太陽光市街化調整区域に適した有効な土地活用6選-太陽光

フィールド設置型の太陽光発電設備は、建築基準法の定める建築物にあたりません。よって、市街化調整区域の土地でも行える方法だと言えます。

フィールド設置型の太陽光発電設備とは、地上に設置する太陽光パネルのことを言います。ある一定規模の発電システムを設置することで、固定価格買取制度が適用されます。

メリット 発電規模に応じた固定価格によって、10年もしくは20年の買取が可能です。
太陽光発電システム導入にかかる初期コストは、ソーラー経営用のローンを検討できます。
賃貸マンションや賃貸アパート経営と比較してランニングコストが安く、投資効率を重視する人向けの選択肢です。
デメリット 一部の自治体では、景観維持や周辺住民の保護、安全面への配慮といった理由から、ソーラーパネル設置に対する独自規制を強化する動きにあります。
固定価格での買取期間中に太陽光発電システムが故障しないよう、保証制度の有無や定期的なメンテナンスに気を付ける必要があります。

④霊園・墓地

霊園・墓地市街化調整区域に適した有効な土地活用6選-霊園・墓地

霊園・墓地の運営者に土地を貸し出し、収入を得る活用法です。ある程度の広さがある土地でなければ活用できないという難点がある一方で、他の活用方法に比べて高い収入を得られる可能性が高いという特徴も持っています。

メリット 土地を貸し出すだけの活用法にあたるため、初期投資がかかりません。
霊園・墓地にふさわしく、高い需要が期待される土地であれば、長期・安定した賃貸料を得ることも可能です。
デメリット 教育機関や医療機関が周辺にある土地は霊園・墓地に不向きで、地域により自治体などの許可が必要な場合もあります。
隣地所有者とのトラブルに発展することがないように十分な配慮をする必要があります。
霊園・墓地として土地を貸す以上、数十年以上は土地を返してもらうことができません。
子世代に相続した後も、霊園・墓地としての契約関係が継続することが基本となっています。

⑤高齢者向け施設

高齢者向け施設市街化調整区域に適した有効な土地活用6選-高齢者向け施設

介護老人保健施設や有料老人ホームなど、高齢者施設の運営者と賃貸借契約を結び、地代を受け取る活用方法です。介護老人保健施設・有料老人ホームには、それぞれ以下のような違いがあります。

介護老人保健施設 65歳以上・要介護1以上の高齢者を対象とする公的な施設です。
医療サービスやリハビリを必要とする数ヶ月間だけ入居して、在宅復帰を目指します。
有料老人ホーム おおむね60歳以上の高齢者を対象に、民間企業が運営している施設です。
医療サービス・レクリエーション活動・イベントなど特色ある取組みを行い、ほかの施設との差別化を図ることもあります。

これらの施設を建設するためには、地方自治体が執り行う開発審査会の議決を得る必要があります。開発審査会で建築許可を受けて始めて、高齢者向け施設として土地を活用することが可能です。

その他、一定の条件を満たすサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)や住宅型有料老人ホームも、開発審査会の議決をもって建築することができます。

メリット 社会福祉施設が不足しているエリアでは、地域社会に貢献できる選択肢と考えられます。
土地所有者自ら運営・管理を行う必要がなく、介護・福祉業界に関する知識は問われません。
ノウハウ豊富な社会福祉法人や民間企業をパートナーに選ぶことで、長期に渡る安定収益が期待されます。
デメリット パートナー選びに失敗すると、期待していた収益を得られないリスクがあります。
基本的には20年や30年といった長期スパンでの契約となるため、自己利用や転用が制限されることにも注意が必要です。

⑥医療施設

医療施設市街化調整区域に適した有効な土地活用6選-医療施設

開業予定の医師や医療法人に土地を貸し、収入を得る活用法です。高齢者向け施設同様に社会的な意義が大きく、地域に貢献できる活用法と考えられます。

農地に囲まれた田舎の土地でも、十分な駐車スペースを確保できる広さがあれば、集客は十分に期待できるでしょう。

低コストで余裕を持った設計を考えている医療機関を対象として、交渉することが大切です。

メリット 医療施設の建築・運営は、基本的に土地の借り手が担当するため、土地所有者の初期費用負担は少なく済みます。
建物を建築することにより、固定資産税の軽減も期待できます。
デメリット 医療施設がすでに足りているエリアにおける土地活用には不向きです。
経営リスクは借り手が負うとはいっても、早期廃業となってしまうと、期待していた収益が得られないリスクがあります。

デメリットばかりじゃない!市街化調整区域ならではのメリット

都市部のように賃貸需要が見込まれない市街化調整区域の土地でも、活用方法次第では、大きな利益が期待されます。

市街化調整区域には、以下2つのメリットがあります。

①土地の維持コストが安いこと

主な土地の維持コストとして、固定資産税・都市計画税が挙げられます。市街化調整区域の土地には、基本的に都市計画税がかかりません。

都市計画事業を積極的に行う地域ではないことから、都市計画税を納める大義名分がないためです。

市街化区域と比較すると、市街化調整区域は固定資産税も低くなる傾向があります。
維持コストが安い分だけ利回りは高くなり、土地活用には有利です。

②大幅な環境変化が起こりにくいこと

繰り返しとなりますが、市街化調整区域内の開発行為は、原則禁止とされています。

急激な都市化が進みにくく、数年の間に所有地周辺に住宅街が形成されたり商業施設が増えたりといった心配がありません。

土地活用後の収益予測が立てやすく、投資判断を行いやすいエリアと言えます。

立地条件により有効な活用方法は異なる?おすすめの相談先とは

市街化調整区域の土地といっても、立地条件や周辺環境、面積や地目が異なります。個別条件を考慮して総合的に判断しないと、有効な活用方法は見えてきません。

この判断には、法律や建築、金融など、広範な知識と経験を要します。

土地活用の経験を持たない方が簡単に解決できる問題とは言えないでしょう。

そこでおすすめしたい解決策は、専門知識を持った不動産会社のサポートを受けることです。

市街化調整区域の土地活用を得意とする不動産会社に相談し、提示されたプランの中から、条件に合う選択肢を検討しましょう。

フドシルでも無料で受け付けておりますので、土地活用にお悩みの方は一度お問い合わせください。

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まとめ

「活用しにくい」というイメージのある市街化調整区域の土地。活用方法の選択肢も狭まるため、そのまま放置しているという方や、売却も考えている方も多いでしょう。

しかし、市街化調整区域の土地にもきちんと特徴やメリットがあり、市街化調整区域ならではの活用方法も可能です。

土地の状況や周辺環境によっても、最適な活用方法は異なるため、適切な活用方法を絞り込んで、きちんと選びましょう。

自身が所有している土地に適した活用方法を選ぶためには、少なからず土地活用に関する知識が必要です。

どのような活用方法が向いているかが判断できないという方は、一度専門知識を持った不動産会社に相談してみてはいかがでしょうか。

ABOUT ME
フドシル専属監修者 東
フドシル専属監修者 東
株式会社TonTon 不動産管理課 マネージャー。 2017年、不動産管理事業の立ち上げから1年半で650戸を新規受託。 リーシング、入居者対応、トラブル対応、リフォーム、保険対応、キャッシュフロー見直しなどあらゆる業務をこなす。 自身も不動産オーナーとして日々奮闘中。 2018年、賃貸不動産経営管理士試験合格。
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