両親から土地を譲り受けた、将来のために購入した土地があるなど、さまざまな理由で土地を所有している方は多くいます。
土地は、活用していなくとも税金が発生してしまいます。土地を活用することで節税効果を得られるにもかかわらず、「活用方法が分からない」などの理由で、現在も土地を活用せずに放置してしまっている方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、所有している土地の有効な活用方法を詳しくご紹介します。土地の有効活用法がわからない方や、土地を持て余してしまっている方はぜひ参考にしてください。
土地活用をする3つのメリット
土地は所有しているだけではなく、活用することにより明確なメリットがあります。
土地活用の方法はいくつかありますが、まずは土地活用をする上で感じられるメリットを理解しておく必要があります。
ここからは、土地活用の3つのメリットをご紹介します。
相続税・固定資産税の対策となる
土地は所有しているだけで相続税・固定資産税・都市計画税の課税対象となります。しかし土地活用をすることで、これらの税金を軽減できる可能性があります。
相続税 | 最大の2分の1 |
固定資産税 | 最大の6分の1 |
都市計画税 | 最大の3分の1 |
※それぞれの減税額は、地域により異なります。
土地を活用するだけで大幅な節税が可能となることは、土地活用における代表的なメリットと言えるため、必ず覚えておきましょう。
収益を得られる
土地活用の方法は賃貸マンションやアパートの建設、駐車場の設置などさまざまですが、ほぼすべての方法で収益が得られます。
事前に綿密な計画を立てる必要はありますが、リスク回避を念頭に置いて行動を起こせば安定した収益を得ることも決して難しくはありません。
所有しているだけの時は税金の負担でお金が減る一方だった土地も、活用すればお金を支払うどころか収益に繋がります。
地域の価値向上に貢献できる
土地活用の方法として、所有している土地に商業施設や介護施設を建築する方法も挙げられます。これらの土地活用は、周辺地域の活性化や価値向上にも繋がります。
所有している土地の周辺に足りない施設をリサーチし、周辺住民の需要を満たす意識を持つことも土地活用においては大切な要素と言えるでしょう。
土地活用に有効な方法11選
ここからは、具体的な土地活用に有効な方法をご紹介します。
それぞれの活用法によって特徴やメリット・デメリットが異なりますので、自身に合った活用法を見極めて土地活用に役立ててください。
賃貸アパート・マンション経営
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〇デメリット |
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〇活用に向いている立地 |
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不動産投資として最もポピュラーな方法である賃貸経営は、継続的に不労所得を手にしたいと考えている方にはおすすめの方法で、多くの方がさまざまな場所で賃貸経営を始めています。
賃貸経営は相続税・固定資産税・都市計画税の減税額が多いことから、節税としても人気ですが、空室問題や維持費用などさまざまな部分にリスクが存在します。
土地活用の目的や、自身の土地がどのような立地にあるかをきちんと考えた上で、所有している土地が賃貸経営に向いているかどうかを判断しましょう。
駐車場・駐輪場経営
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〇デメリット |
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〇活用に向いている立地 |
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土地活用を始めるまでの期間が短い駐車場・駐輪場経営は、手軽に始められる土地活用の一つと言えます。また、月極駐車場・コインパーキング問わず空き状況に関係なく一定の収益が得られる「一括借上げ方式」がある点も特徴的です。
初期費用を抑えることができ、かつ転用性が高いことから、「とりあえずすぐに土地を活用したい」という方には非常に向いていると言えるでしょう。
しかし、家賃収入などと比較すると高い収入が期待できない点は駐車場経営・駐輪場経営の難点と言えるため、現状や今後の見通しをきちんと決定してから始めましょう。

トランクルーム経営


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〇デメリット |
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〇活用に向いている立地 |
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トランクルーム経営も駐車場・駐輪場経営と同じく、初期費用を抑えられる手軽な活用方法として多くの方から人気を集めています。
幹線道路沿いなど、住環境には向いていると言えない土地や狭い土地を持っている方や、短期間で初期費用を回収したいという方には特に向いています。
しかし、コンテナ型のトランクルームを設置する場合は「建築物」と判断されるため、都市計画法や建築基準法をきちんと守らなければなりません。
地域によってはコンテナ型のトランクルームが設置できないという場合もあるため、必ず事前に確認しておきましょう。
設置するトランクにもさまざまな形状があるため、トランクルームを経営する際は、業界に精通しているトランクルーム業者をパートナーとして選び、競合調査をした上でしっかり決める必要があります。
広告看板設置


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〇活用に向いている立地 |
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土地の数ある活用法の中でも、最も初期費用の負担が少なく始められる方法が、広告看板の設置です。広告や看板のみならず、自動販売機の設置も含まれます。
非常に狭いスペースでも活用でき、かつ広告看板の設置は建築費用がかからない上に、転用性も高いことから、駐車場・駐輪場経営同様「今すぐ土地を活用したい」という方におすすめです。
しかし、費用対効果は高いものの、他の活用法に比べて高い収益が期待できないという点や、条例や法律により規制される可能性があることを把握した上で、自身の土地に適しているかを判断しましょう。
太陽光発電


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太陽光発電は、建物の屋根や土地に太陽光を集める「ソーラーパネル」を設置して行う土地の活用方法です。日当たりの良い土地や田舎にある土地に向いています。
太陽光から生産された電気を電力会社に販売して収益を得るという方法であるため、入居者を集める必要はありません。
さらに、「固定価格買取制度」という家庭用太陽光発電を買い取る制度により、安定した収益が見込める点も大きなメリットであると言えます。
しかし、20年で買取期間が終了してしまうため、20年目以降の収益が保証されていないという大きなデメリットもあります。今後の見通しを考えた上で、しっかり戦略を立てる必要があります。
老人ホーム・デイサービス


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老人ホーム・デイサービスは、少子高齢化社会において需要が非常に高く、近年では注目されている活用方法です。
老人ホームやデイサービスセンターは数が少ないため、今後も需要は高まる一方だと言えるでしょう。そのため、周辺地域に高齢者施設がない土地には特におすすめです。
しかし、土地の広さと建物は一定以上の規模を求められることから、初期費用が比較的高額となる傾向にあります。
長く安定した経営を続けるためにも、事前にきちんと競合調査を行い、資金計画を立てておきましょう。
複合商業施設


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〇活用に向いている立地 |
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複合商業施設は、業者や企業に土地を貸すという形で活用する方法です。
節税効果が非常に高い上、賃貸経営よりも賃料を高く設定できるため、複合商業施設を建設できるだけの資金や土地を持っている方にはおすすめの土地活用と言えるでしょう。
しかし、商業施設内に空きテナントが増加すると収益も下がるため、土地を貸すからと言ってすべてを丸投げするのではなく、自身できちんと専門知識を備えておきましょう。
物販・飲食店の店舗


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物販・飲食店の店舗は複合商業施設同様、業者や企業に土地を貸すという形で活用する方法です。
物販・飲食店の店舗は数が多く、テナントを募集している企業が多いため、土地活用の方法として選択しやすいという特徴があります。
収益が高い反面、競合他社の影響を受けやすい店舗が多く、撤退リスクも高いです。また、土地の周辺環境により駐車場を確保しなければならないケースがあることも留意しておきましょう。
幼稚園・保育園


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〇活用に向いている立地 |
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待機児童や保育園不足が目立っている近年、土地活用として幼稚園や保育園の経営を行うことは非常におすすめです。
また地域によっては補助金の受給もあることから、メリットの多い方法だと言っても過言ではありません。
しかし、幼稚園・保育園の建設から運営事業者への貸し出し、さらに騒音対策に認可申請など、費用に加えて経営を行う上で手間がかかるというデメリットもあるため、入念な事業計画を組む必要があります。
オフィス


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〇デメリット |
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〇活用に向いている立地 |
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主に事務所として使用されるオフィスビル経営は、賃料が高く大きな収益が見込める土地の活用方法として人気です。
契約する企業が長期的に利用する可能性が高い点も魅力で、オフィスビルが立ち並ぶ利便性の高い都市部に土地を所有している方には特におすすめです。
しかし1室あたりの賃料が高い分、企業が退去してしまった際の家賃収入も大きく影響されることから、賃貸経営よりも空室リスクが高いと言えます。
そのため、空室リスクを最小限に抑えられる事業計画を入念に立てることが必須です。
貸農地


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〇デメリット |
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〇活用に向いている立地 |
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貸農地経営とは、所有している土地を農地として、農業者などに貸し出す土地の活用方法です。田舎や住宅街に、建物を建てることができない土地を所有している方は特におすすめです。
しかし、知識がなければスムーズに貸農園の経営を始めることが困難であるため、自身できちんと知識を得るか、知識のある業者に依頼することが必須です。
貸農園に限らず、初めて土地活用を行う場合は必ず土地活用に関するさまざまな知識を得ておく必要があります。
初期費用を抑えたい、すぐに回収して収益を得られる活用方法を行いたいという土地所有者も多くありませんが、長く安定して収益を得るためには、資金をかけるべき部分と抑えておくべき部分をしっかり理解しておきましょう。
まとめ
土地を放置しているだけでも、固定資産税などの税金を支払う必要があります。
節税対策や資産運用など目的はいくつか見受けられますが、土地は活用してこそメリットが見出せる資産であると言えます。
ここまでご紹介した内容を踏まえ、自身が所有する土地と条件が合致する点がないか、今一度確認してみてはいかがでしょうか。
きっとあなたに合った土地活用法が見つかるはずです。



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