空室対策

空室期間が長引いてしまう2つの原因|それぞれの対策方法と注意点

空室期間が長引いてしまう2つの原因|それぞれの対策方法と注意点

前回の入居者が退去してから、入居者の募集をかけているにもかかわらず、所有物件の空室がなかなか埋まらないというオーナーはいませんか?

ただ入居者の募集をかけているだけでは空室を埋められません。所有物件に適した対策を行わなければ、空室期間がさらに長引く可能性もあります。

そこで今回は、空室期間が長引いてしまう原因から、空室対策の方法や実際に空室対策を行う際の注意点をまとめました。これから賃貸経営を始める方や、既に空室期間が長く悩んでいる方は必見です。

空室期間が長い物件で考えられる2つの原因

空室期間が長引いてしまっている賃貸物件には、必ずどこかに原因が存在します。

その原因に適した対策を施すことにより、長い空室期間を解消できる可能性が格段に高まるでしょう。

まずは、「長期間の空室」に考えられる2つの原因についてご紹介します。

①家賃設定が適切ではない

立地や設備などの条件と比べて、家賃の設定が高いと入居希望者が現れず、空室期間が長引く要因となります。

まずは、所有物件が以下に当てはまっていないか確認しましょう。

  • 立地が悪い(駅から遠い、スーパーが近くにない)
  • 設備が十分でない(オートロックではない、ユニットバスのままなど)

周辺の競合物件と比較して、家賃が適切でない場合も空室期間が長引きます。

同じ築年数で同じ間取りの競合物件と比較して家賃が高い場合は、家賃設定を見直すべきと言えるでしょう。

②部屋の見栄えが悪い

入居希望者が物件を選ぶ上で、部屋や外観の見栄えは重要な判断要素の1つとなります。

そのため、いくら家賃の設定が適切で立地が良くても、外観や部屋の中が古びているだけで、多くの入居希望者を逃してしまうでしょう。

特に部屋の中は、自分が住みたいと思えるほど綺麗にしておかないことには、入居者はまず決まりません。

空室状態が長く続いたことにより、下水管から汚臭がしたり、虫の死骸が溜まっていたりすると、入居希望者はすぐにお部屋の印象が悪くなってしまいます。

そのため、部屋内の定期的な清掃やメンテナンスは必ず行うように心がけましょう。

家賃の値下げを検討するべきタイミング

設備の充実やリフォーム、リノベーションを施しても、空室が改善されない場合は、家賃を見直す必要があります。

空室が発生している場合、その部屋の設定家賃に空室の月数を掛けた金額分の損失が発生することとなります。

仮に値下げした分の賃料が、損失分と同額になる程度の賃料設定となった場合、この賃料設定で入居者が決まるのであれば、潔く家賃を値下げすることをおすすめします。

ただし、家賃を値下げする場合は、地域や不動産物件の家賃相場や特性、さらにニーズなどを分析した上で、適正家賃や値下げ以外にも行える工夫がないかを確認しておきましょう。

収益ダウンだけじゃない!家賃の値下げ前に知っておきたい注意点

家賃を値下げする前に、まず「家賃を下げることで発生するリスク」をしっかり確認しましょう。
家賃を下げることによるリスクには、以下のようなものがあります。

  1. 資産価値の低下
  2. 既存入居者からの家賃値下げ交渉

賃貸アパートや賃貸マンションなどの収益物件の価値を評価する方法に「収益還元法」という、賃貸収入を元に物件の価値を測定する手法があります。

そのため家賃を下げることにより、物件自体の資産価値が低下してしまうことが考えられます。

また、家賃を下げて入居者を確保した場合、家賃の値下げを聞きつけた既存の入居者から、家賃交渉を受けて、さらに収益が低下してしまう恐れがあります。

以上のことから、家賃の値下げは、さまざまな工夫を行ったにもかかわらず効果が得られなかった場合の「最終手段」として行うべきでしょう。

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家賃を下げずにお得感を出す方法

さまざまな対策を施し、効果がなかったとしても、家賃はなかなか下げたくないものです。家賃を下げずに、入居者に「お得だ」と感じてもらえるような工夫には、以下3つがあります。

  1. フリーレント(家賃無料)や家賃半額などのキャンペーンを設ける
  2. 敷金礼金を下げる・ゼロゼロ物件(敷金・礼金0円)にする
  3. 駐車場代などの家賃以外を値下げする

敷金や礼金、駐車場代の収入は賃貸経営におけるメインの収入ではないため、家賃の交渉を受けた場合や空室期間が長引いている場合は、駐車場代や敷金・礼金など家賃以外からの値下げを検討することがおすすめです。

入居者からすると、出費が下がるという事実は変わらず、オーナーも家賃を下げて建物の評価を下げずに済むため、双方にとって良い結果となるでしょう。

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見栄えが悪い部屋の対策方法

見栄えが悪い部屋の対策は、単純に清掃やメンテナンスを行う以外にも、さまざまな対策が存在します。その中でも、以下2つは特に重要です。

  1. 人気物件の特徴を把握する
  2. 周辺の競合物件との差別化を図る

人気物件の特徴や競合物件をリサーチする際は、インターネットで検索したり、不動産会社に問い合わせることをおすすめします。

ここからはそれぞれの項目について、どのようなを方法を行うと良いのかをさらに詳しくご紹介します。

人気物件の特徴を捉えたリフォーム・リノベーション

人気の物件の特徴をリサーチし、所有物件と人気物件の特徴があまりにもかけ離れている場合は、リフォームやリノベーションを検討してみることも一つの手です。

リフォームやリノベーションの投資費用は、決して安いものではないため、ためらう方も多いかもしれません。

しかし、人気物件の特徴を捉えた効果的なリフォームやリノベーションを行えば、新たな価値が付加されて、賃料を上げることも可能です。

例えば25万円を投資して部屋をリフォームし、2000円賃料がアップして入居が決まった場合、2000円×12ヶ月÷25万円=9.6%の投資利回りとなります。

賃料アップが見込めて、かつ入居促進にもつながるため、投資価値は大いにあるでしょう。

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「実用性や機能性」「絵になる物件」など競合との差別化が重要

賃貸物件が増加する中で、単純に人気物件の特徴をすべて真似したリフォームやリノベーションが、すべての入居者に評価されるわけではありません。

特に、人気物件の良いところだけを集めた結果、所有物件が「特徴のない物件」となってしまうことは避けるべきです。

競合物件と差別化を図るためにも、まずは物件の魅力となる「方向性」をしっかり決めることが重要です。

  1. 実用性や機能性などの「住みやすさ」を徹底した物件
  2. 絵になるような「デザイン性」を重視した物件

方向性に沿ったリノベーション・リフォームを行うことにより、競合物件との差別化を少しでも図ることができるでしょう。

外国人の入居可・ペット可など募集条件を緩和することも一つの手段

ここまで紹介してきた方法以外にも、条件を緩和したり見直すことで、入居希望者が増加する可能性があります。

賃貸物件が増加している現在でも、外国人の入居やペットの飼育が可能な物件は、供給不足の状態です。

入居がオーナーから懸念される理由としては、以下の「トラブル」が挙げられます。

  • 外国人の入居:言葉、ルール・マナー、帰国による家賃滞納など
  • ペットの飼育:床や壁などのキズや汚れ、騒音など

大家さんにとってはどちらも避けておきたいトラブルではありますが、賃貸借契約時にしっかり説明を行ったり、生活ルールを定めることにより、基本的にどのトラブルも回避することができます。

最近では、外国籍の入居者に特化した保証会社や、原状回復保証付きの保証プランなども人気です。

ただし、物件周辺の環境によりせっかく募集条件を緩和したにもかかわらず、ニーズが全くなく入居者が増えないということも考えられます。

周辺の環境や物件の特徴を捉えて、どのような特徴を持つ物件にニーズがあるかをしっかり調べた上で、空室期間を短縮するための最適な方法を選んでください。

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まとめ

空室期間を短縮できる工夫は数多く存在しますが、すべての方法がご自身の物件に適しているわけではありません。また、むやみに家賃を下げてしまうことは最も避けるべきだと言えます。

大切な物件の資産価値が下がってしまわないよう、なるべく家賃の値下げは行わない方針で募集条件を見直したり、リフォームやリノベーションを行うことで、空室が解消される可能性が上がります。

ご自身の物件に適した工夫を行うためにも、今回ご紹介した内容を参考に、物件の状態や周辺の環境の特徴、ニーズなどをリサーチしてみましょう。

>>ご自身の物件で有効な施策についての問い合わせはコチラ

ABOUT ME
フドシル専属監修者 東
賃貸不動産経営管理士。 2017年、不動産管理事業の立ち上げから1200戸を新規受託。 リーシング、入居者対応、トラブル対応、リフォーム、保険対応、キャッシュフロー見直しなどあらゆる業務をこなす。 自身も不動産オーナーとして日々奮闘中。 株式会社TonTon執行役員。
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