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3つの相続パターンで異なる不動産相続登記で必要書類とは

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不動産は相続をした際、登記が必要となってきます。相続登記は義務ではありませんが、自分の権利を守るためには行うべき手続きです。

ただし、同じ相続でも、最も単純な法定相続、遺産分割協議による相続、遺言による相続などが存在し、不動産登記においてはそれぞれに必要な書類が異なります。

代表的な相続形式である「法定相続」と「遺産分割協議」、「遺言」の3つのパターンにおける不動産登記の必要書類について紹介します。

法定相続の必要書類とは

法定相続とは、亡くなった人(被相続人)の一切の財産を法律で定められたとおりに相続人が承継する相続方法です。

そして、遺産を受け継ぐ権利のある人を「法定相続人」と呼びます。

たとえば、法定相続人が配偶者と子ども2人の場合、法定相続分は配偶者が1/2、子どもがそれぞれ1/4ずつ承継します。

このように、決まった割合で財産を承継することを「法定相続」と呼びます。

法定相続で必要となる書類は、以下のとおりです。

必要書類

  • 被相続人の出生から死亡にいたるまでの継続したすべての戸籍謄本
  • 被相続人の住民票の除票(本籍地の記載あり)
  •  相続人全員の戸籍謄本
  •  相続人全員の住民票
  •  相続人全員の委任状
  •  固定資産評価証明

注意すべきポイントは、相続人をしっかりと確定するために、被相続人の戸籍謄本を昔からさかのぼって取得することです。

遺産分割協議による相続

不動産はきっちりと法定相続分で分割することができないため、相続人が複数いる場合は、むしろ遺産分割協議を行ってから財産を分けて承継することが一般的です。

「遺産分割協議」とは、共同相続人全員によって、相続財産を各個人の単独所有、または共有に移行するために行う協議のことをいいます。

遺産分割協議では、「遺産分割協議書」という書類を作成します。

たとえば相続人が子ども2人で、相続財産が「自宅の不動産が70%・現金が30%」という場合を考えてみましょう。

法定相続なら子どもが相続財産を50%ずつ承継することになりますが、1人が自宅を引き継ぐ場合はその割合が異なります。

このように法定相続分以外の割合で相続財産を分割する際は、遺産分割協議を行います。遺産分割協議による相続で必要となる書類は、以下のとおりです。

必要書類

  • 遺産分割協議書(相続人全員自著・実印押印・印鑑証明書を添付)
  • 被相続人の出生から死亡にいたるまでの継続したすべての戸籍謄本
  • 被相続人の住民票の除票(本籍地の記載あり)
  • 相続人全員の現在の戸籍謄本
  • 相続人全員の現在の住民票
  • 委任状
  • 固定資産評価証明書

遺産分割協議書のほかにも戸籍謄本など、さまざまな書類が必要なので注意しましょう。

遺言による相続

遺産分割協議は、被相続人の死後に分割方法を決める相続ですが、被相続人が生前に分割方法を決めて相続させるのが「遺言」による方法です。

遺言は民法の定める方式に従わないと効力が発生しないため、注意が必要です。

遺言には「公正証書による遺言」と「自筆証書による遺言」が存在します。

公正証書遺言は、その遺言がそのまま遺言証書として登記申請に使えます。

一方で、自筆証書遺言は家庭裁判所に遺言の「検認」をしてもらう必要があります。

自筆証書遺言は検認が終えたあとで、はじめて遺言証書として登記申請に使えるようになります。

遺言については、まず相続が発生した時点で、遺言があるかどうかを調べる必要があります。

被相続人が生前、税理士や弁護士などに依頼していた場合はそれを確認するほか、公正役場に確認することも場合によっては必要でしょう。

それでも見つからない場合は、念のため被相続人の貸金庫や部屋なども確認してみましょう。

遺言による相続で必要となる書類は、以下のとおりです。

相続人が複数の場合、持ち分は遺言書の内容と一致している必要があります。

必要書類

  • 遺言証書
  • 遺言者の死亡事項の記載のある除籍謄本
  • 被相続人の住民票の除票(本籍地の記載あり)
  • 遺言により相続する相続人の住民票
  • 固定資産評価証明書
  • 委任状
  • 受遺者の戸籍謄本

相続の3つのパターンにおける必要書類について解説してきましたが、いずれにしても、まずは自分たちの相続が法定相続か、遺産分割か、遺言かなどをはっきりさせることが必要です。

それをしたうえで、必要書類をそろえる準備を行いましょう。

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フドシル専属監修者 東
賃貸不動産経営管理士。 2017年、不動産管理事業の立ち上げから1200戸を新規受託。 リーシング、入居者対応、トラブル対応、リフォーム、保険対応、キャッシュフロー見直しなどあらゆる業務をこなす。 自身も不動産オーナーとして日々奮闘中。 株式会社TonTon執行役員。
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